JRA若手有望株が「G1級」の大ブレイク! 神騎乗連発に早くも横山武史二世の声!?

菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I

 先週の新潟開催は、菅原明良騎手が大爆発した。土曜に6勝を挙げて勝ち星を量産すると、日曜も1勝を上乗せして計7勝。秋の新潟リーディングだけでなく、年間の新潟リーディングにも輝き、関係者に存在感を見せつけた。

 特に素晴らしかったのは土曜の騎乗ぶりだ。全9鞍で1番人気に推された馬はゼロ。そんな中で6勝も挙げたのだから称賛に値する。これには途中から気付いたファンが、菅原明を騎手買いしたため、必要以上に人気していたほど。

 それでも1番人気にならないという事は、絶好調の菅原明騎手が乗っていたとしても、少し力が足りないと思われていたり、近走の成績が安定しない気難しい馬と判断されるような騎乗馬だった訳で、彼の腕による勝利と言っても過言ではないだろう。

 元々、真面目な性格で挨拶などの礼儀もしっかりできる優等生ともいわれている。普段は頼りないくらいの話し方、雰囲気を感じても、馬に乗ると豹変するタイプ。勝ち気な性格で先輩にも物怖じしない強いメンタルの持ち主だという。

「そんな菅原明騎手を象徴するエピソードですがあります。彼が1番人気の馬に騎乗した際に、ある先輩騎手が勝ち負け度外視で幅寄せしてきたり、進路を塞いだりと“菅原潰し”のような騎乗をしてきたことがあったんです。

表立っては言いにくいですが、関東ではたまにある先輩騎手の洗礼のようなものです。そのときは、結果的にそれに屈して惨敗してしまったのですが、近しい関係者に『アイツは絶対に許さない!いつか仕返ししてやる!』と奮起していたみたい。要は普段は温厚でもレースではそれくらい負けん気が強いって事なんですよ」(美浦のTM)

 今やトップ騎手のひとりといえるまで頭角を現した横山武史騎手も肝の据わった騎乗をする。川田将雅騎手などもそうだが、リーディングトップクラスの騎手には、他の騎手にはない気概がある。

 怪我や騎乗停止などが重なり、一時は馬込みが怖くて無難に外を回す競馬をしていた時期も乗り越えて、今年はカラテで重賞初Vを達成。その際には周りのジョッキーも驚いたほど号泣していたが、もはや関東では横山武騎手に次ぐくらいのポジション。今回の躍進で全国リーディングでも12位にのし上がった。

 関係者からの評価も上がる来年あたりは裏開催ではなく、大レースでも騎乗依頼が舞い込みそうな期待感もある。

「注意したいのは若さ故の私生活の乱れですが、師匠の高木登調教師がしっかりと指導していますし、目に余る行いがあれば雷が落ちるので菅原明も恐れて道を踏み外すような事はしないでしょう(笑)。

彼も年頃の若手ではありますが、後輩騎手と節度を守って遊んでいるようです。関東の世代交代が進んでいる状況ですし、これからも順調に腕を磨いていって欲しいものです」(同)

 話は元に戻るが、覚醒していた土曜新潟の菅原明騎手でも唯一、馬券圏内に入れなかったのが6Rのルージュフェリークである。

 尾関知人厩舎の管理馬だが、同厩舎は7月にピュアブラッドで勝って以来、約4ヶ月もの間、勝利から遠ざかっていたように不調。前述のTMによると、菅原明騎手の好調よりも厩舎の不調の方が勝ったんじゃないかという噂もトレセンで話題になっていたようだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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