今週引退の武幸四郎騎手に「チャンス十分」のアーリントンC(G3)!衝撃のデビュー初勝利を飾った「阪神マイル重賞」に例年以上の好素材が集結!
競馬界にとって大晦日「2月の最終週」はほぼ毎年、春競馬の開幕を告げる節目であると同時に、その年に引退する競馬関係者を送り出すラスト開催という重要な役割を担うことになっている。
昨年は史上最強牝馬の1頭に数えられるブエナビスタや、今も種牡馬として活躍するアドマイヤムーンなど数多の名馬を手掛けた名伯楽・松田博資調教師が現役最後の勝利を上げ、JRA通算800勝に到達するという印象的なシーンがあった。
そして今年は、なんといっても武豊騎手の実弟・武幸四郎騎手の最後の雄姿に注目が集まる。
特に25日に阪神競馬場で開催される今年のアーリントンC(G3)は、武幸四郎騎手にとって最後の重賞制覇になるかもしれない注目のレースとなっている。
武幸四郎騎手が手綱を執るのは、デビューから主戦を務めているミラアイトーン(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
池江調教師がデビュー前から「全てにおいて優秀な点数がつけられる。落ち着きもある」と高い評価を与えていた逸材だけに、これが単なる形だけの”温情采配”でないことは充分に伝わってくる。
先月29日の500万下で2番人気だったミラアイトーンは、好スタートから好位につけると、最後の直線で外から鋭い伸び脚を発揮。武幸四郎騎手の右ムチに応えるように加速すると、逃げ粘っていたファンタジステラを悠々捕らえてゴール板を駆け抜けている。
レース後「これで見通しが明るくなった」と武幸四郎騎手が話したように賞金面だけでなく、好位から上がり最速の33.8秒で突き抜けたレース内容も、この馬の将来を明るくするものだった。
ここで別れを告げざるを得ない主戦騎手に”餞別”をプレゼントできるか。素質馬ミラアイトーンの走りに期待したい。