JRA京都2歳S(G3)武豊&トゥデイイズザデイに託された「深刻」な使命!? 主役コンビは“崖っぷち”三冠トレーナーの救世主となり得るか
今週の土曜、阪神競馬場で行われる京都2歳S(G3)に期待のディープインパクト産駒トゥデイイズザデイ(牡2、栗東・池江泰寿厩舎)が出走する。
前走の新馬戦では圧倒的人気に応えての逃げ切り勝ち。陣営、騎乗した武豊騎手ともにその素質を高く評価しており、重賞初挑戦となる今回も無傷の2連勝で重賞初勝利が期待される。
しかし今回の一戦では、トゥデイイズザデイの重賞初勝利以外にも、同馬と鞍上は大事な役目を担うレースになりそうなのだ。
池江泰寿厩舎といえば、これまでに三冠馬オルフェーブルやG1・2勝のサトノダイヤモンド、2009年に宝塚、有馬のグランプリ連覇を達成したドリームジャーニーなど、名だたる名馬を育て上げた。そして毎年の調教師リーディングでも上位に名を連ねてきたJRA通算750勝を誇る超名門厩舎である。
06年から15年連続で重賞を勝利しており、その連続重賞勝利記録は現在も更新中と申し分ない成績を上げてきたが、なんと今年は重賞未勝利。もう今年も残り1ヶ月ということを考えると、このままでは記録が途絶える危機に瀕している。
勝ち負けを期待できそうな馬で臨める重賞はそう多くない事を考えると、今レースに記録更新がかかると言っても過言ではなく、トゥデイイズザデイと武豊騎手のコンビに命運が託されたといってもいいほどだ。
池江厩舎は開業3年目の06年にドリームジャーニーで朝日杯(G1)を勝利し、見事G1勝利で厩舎の重賞初勝利を飾ると、11年に父である池江泰郎調教師の管理馬を引き継ぐとその勢いはさらに加速。毎年のようにG1や重賞を勝ちまくり、常に競馬界のトップクラスで活躍し続けてきた。
ただ、そんな名門厩舎も近年は成績が振るわず低空飛行が続く現状。昨年は15年ぶりに全国リーディングトップ10を逃すなど不振が目立っている。また、好調時には年間二桁もの重賞を勝っていたが、近年は一桁も珍しくなく、ついに今年は11月になっても未勝利なのだから只事ではない。
勿論、トゥデイイズザデイの他にもペルシアンナイトやジャンダルムなどもいるだけに、それらの馬が残り1か月で重賞を勝利する可能性もあるのだが、京都2歳Sのトゥデイイズザデイは優勝候補の筆頭と目されている素質馬だ。
名門厩舎の名誉挽回と記録更新がかかった大一番。トゥデイイズザデイと武豊騎手コンビは、見事厩舎の期待に応えることが出来るだろうか。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。