JRAジャパンC(G1)コントレイル有終走の裏で「ダート馬」と最下位争い!? あまりにも「残念過ぎた」4世代ダービー馬対決
28日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1)は、このレースがラストランだった福永祐一騎手の1番人気コントレイルが優勝。グランアレグリアが制したマイルCS(G1)に続き、2週連続で断然人気に支持された名馬が有終の美を飾った。
前走は陣営が絶対に負けられないと位置付けていた天皇賞・秋(G1)で、3歳馬エフフォーリアの軍門に下る大誤算もあった。2着とはいえ、勝ち馬からつけられた着差は1馬身。接戦どころか完敗を喫したこともあってか、陣営からは「三冠馬の名誉を守りたい」という悲壮感すら漂うコメントまで出てくる状況だった。
そんな崖っぷちに追い詰められた感のあった無敗の三冠馬にとって、“ラストフライト”を完勝で締めくくれたことは、今後の種牡馬生活を見据えるにあたっても最高の栄誉となったのではないか。
大団円を迎えたコントレイルは第87代の日本ダービー馬。圧勝したダービーと同じ舞台で輝きを取り戻したことに主戦の福永祐一騎手は大号泣。その姿を見てもらい泣きした競馬ファンもいただろう。
また、今年のジャパンCはコントレイルをはじめ4世代のダービー馬が一堂に会したことでも大きな話題を呼んだ。優勝したコントレイルだけでなく、第88代シャフリヤールも3着に入り、ハイレベル世代と評される3歳馬の意地を見せた。
その一方で、同じダービー馬の称号を持ちながら明暗が分かれてしまった。ダービー馬の先輩である第83代のマカヒキは14着、第85代のワグネリアンにいたっては最下位の18着と揃って大敗してしまった。
「金子真人オーナーはマカヒキ、ユーキャンスマイル、ワグネリアンを送り込みましたが、いずれもこれといった見せ場も作れないままに終わりました。真ん中から内が有利だったこの日の馬場で3頭とも15番から17番といった不利な外枠だったことも痛かったです。
二桁人気だったことからわかるように、勝ち負けまでの期待をしたファンは少なかったようですが、ダービーと同じ東京芝2400mの舞台でこの結果は残念でした」(競馬記者)
ただ、中でも群を抜いて残念な結果に終わったのはワグネリアンだ。2馬身差で完勝したコントレイルとは対照的に“大激戦” が繰り広げられた最下位争いで敗れたのはダービー馬らしからぬ結末といえる。
敗れた相手ウインドジャマ―は、カレンブーケドールの回避によって滑り込みで出走が決定した超人気薄。しかも相手はダートを4勝しているが芝は未勝利である。「無謀な挑戦」と賛否両論が沸いた昨年のヨシオ的な存在の馬だっただけに、ある意味ショッキングな敗戦でもあった。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。