JRA「○○で逢いましょう」連想させる珍名馬にファン大混乱!? 一見NGスレスレに「よく通ったな」も変化球で攻めた馬名の由来に納得
競走馬の名前には個性豊かなものも多く、一見戸惑うようなものもあれば、一度聞いたら忘れられないようなインパクトの強いものなどがある。
受け取り方によっては、少し下ネタっぽくなってしまうものや、本来の由来とは異なりそうなものもあり、そういったオーナーの遊び心が見え隠れすることも、見ているファンの楽しみの一つといえる。
そんな愛すべき競走馬に対し、我々は親しみを込めて「珍名馬」と呼んでいる。
JRAでは元祖珍名馬主の小田切有一氏や、シゲルシリーズで有名な森中蕃氏などが、多数の珍名馬を所有する馬主としても有名である。
最近でもオヌシナニモノ、カイアワセ、ウナギノボリ、マジックミラーほか、ユニークな馬名が話題に上る馬もいたが、満を持して登場した珍名馬がちょっとした注目を集めていた。
当事者となったのは土曜中山5Rの2歳新馬(芝1800m)でデビューしたジャスコ(牝2、美浦・尾形和幸厩舎)だ。馬名の「ジャスコ」は、総合スーパーのイオンの前身となる総合スーパーブランドの旧商号を連想させるもの。店内で「ジャスコで逢いましょう」というテーマソングを耳にしながら、子供時代に買い物したことがあるオールドファンも多いのではないだろうか。
しかし、オーナーの所有馬とはいえ、どんな馬名でもつけられるわけではない。競走馬につけられる馬名には、厳格なルールが定められており、JRAの審査を通過したものでなければつけることができない。そういう意味では、ブランド名とも受け取れるジャスコについて、ネットの掲示板やSNSでは「よく申請が通ったな」と驚くファンもいた。
ちなみに、正式認可された馬名の由来を確認してみたところ、ジャスコの名前の意味は「ジャスタウェイの子なので」ということらしい。オーナーの大和屋暁氏は、ジャスコの父ジャスタウェイを所有していた有名人でもある。これなら審査が通ったことにも納得できそうだ。
残念ながらレースでは5着に敗れたジャスコだが、1000m通過が1分3秒6の超スローペースで後方からの競馬と不利な展開。それでも直線は最後方から鋭い末脚を繰り出して見せ場を作っており、この内容なら次走でも期待が出来そうな雰囲気だ。
悪ふざけしたファンからは、ジャスタウェイの仔でジャスコがOKなら「マンハッタンカフェの仔やオメガパフュームの仔でも同じ理由で通せるのか」なんてこともいわれていたが……。そちらに関しては、JRA次第ということでお茶を濁したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。