JRA前年比「200%超」驚愕の大躍進! ホープフルSでレジェンド武豊のG1完全制覇ストップの刺客はあの最年少騎手か⁉
26日は有馬記念(G1)が行われ、いよいよ年内の重賞はJRAに限るとホープフルS(G1)を残すのみとなった。
同レースで今、俄然注目度が高まっているのが武豊騎手とコンビを組むアスクワイルドモアだ。武騎手は19日に行われた朝日杯FS(G1)で同レース初勝利、JRAのG1完全制覇まであと一つと王手をかけた。
このホープフルSを勝てば、前人未到となる偉業達成となり、自身の公式サイトの武豊日記でも「リーチ一発で決めたい気持ちも当然持っています」と意気込みを語っている。
そのレジェンドに対し、待ったをかけるのはどのコンビか。面白い存在となりそうなのが、メンバー中最年少の菅原明良騎手とオニャンコポン(牡2歳、美浦・小島茂之厩舎)だろうか。
ホープフルSと同じ舞台である中山2000mで2歳新馬戦に出走、2番手から直線あっさり抜け出してデビュー勝ちを決めた。続く百日草特別(1勝クラス)も、直線で後続の追撃を振り切って連勝を飾った。
いずれも菅原騎手の騎乗で勝利しているが、『netkeiba.com』のコラムによると、実は陣営としてはいずれのレースもそれほど自信があった訳ではないようだ。
「デビュー前は追い切りに乗ってもらう予定がタイミングが合わず普通キャンターだけしか乗ってもらえなかったんです。でも本人に聞くと『もう大丈夫です。走るのは分かりましたから』と。本当かな…と少し疑っていたんですが(笑)、結果はご存じの通り。
続く2戦目も自分としては“2着はあるかな”くらいだったんですが、彼は自信たっぷりに『ここでも通用しますから』と言って、やはり結果もその通りに」
菅原騎手の相馬眼には、オニャンコポンを管理する小島調教師が「まだ20歳なのにすごい感性の持ち主」と驚いていた。
今年デビュー3年目となる菅原騎手。最近は特に勝利騎手として、その名を聞くことが増えたような気がするという人も多いかもしれない。
それもそのはず、今年は勝ち星を過去2年と比較して2倍以上に伸ばし、年間新潟リーディング1位にも輝いた。2月に行われた東京新聞杯(G3)ではカラテとのコンビで重賞初制覇、男泣きで喜んだ。
JRA、並びに地方所属の若手騎手で成績を競う2021年ヤングジョッキーシリーズにも、JRA東日本1位の成績でファイナルラウンドに駒を進めている。27日・28日の対象レースの結果をもって最終順位が決定するが、こちらも優勝していい形で締めくくれるか。
菅原騎手は、26日現在で全国リーディングは自身のキャリアハイとなる11位。若手の注目株として出走するだけで人気になりそうな気もするが、意外にも福島、東京、新潟の3場で単勝回収率は直近1年で100%を超えた。
まだ注目度の高過ぎない今が、馬券的には狙い目と言えるかもしれない。まさに「ホープフル」な若手騎手に、年内JRA最後の重賞はもちろん、来年も期待が高まるばかりだ。
(文=大井ふみ)
<著者プロフィール>
競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。