JRAホープフルS(G1)武豊「G1完全制覇」よもやの大誤算!? 競馬の神様から「空気を読まない」試練にハードル急上昇
26日に中山競馬場で行われた有馬記念(G1)を制したのは、3歳馬エフフォーリアと横山武史騎手のフレッシュなコンビ。並みいる強力古馬や先輩騎手を相手に堂々たる勝利で暮れのグランプリレースを勝ち切った。
「皆さんご存知の通り、僕の不甲斐ない騎乗によって騎乗停止になってしまい、有馬記念を勝てて嬉しいですが、心の底から喜べないのが残念です」
好騎乗でパートナーの勝利を導いた横山武騎手だが、エフフォーリアの半弟ヴァンガーズハートに騎乗した土曜の新馬戦を、ゴール前で追う動作を緩めて2着。騎手としての注意義務を怠ったとして、2日間の騎乗停止処分を下された自身の反省も忘れなかった。
皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念と年間G1・3勝を挙げたコンビが、土日に渡って注目を集めた今週末だったとはいえ、気を抜くのはまだ早い。
競馬ファンにとって1年の総決算は、28日に行なわれるホープフルS(G1)がまだ残されている。なぜならこちらが、今年の中央競馬を締めくくる正真正銘のラストチャンスとなるからである。
有馬記念で惜しくも馬券的中とならなかった人も、会心の的中をした人も気になる2歳G1に違いない。
その一方で今最もホットな話題といえば、競馬界のレジェンド武豊騎手によるJRA・G1完全制覇がなるかどうかだろう。
長年の課題とされた朝日杯FS(G1)の初勝利もクリアし、残されたパズルの1ピースはホープフルSのみ。この際、リーチでも王手でも何でもいい。とにかく喉から手が出るほど欲しいG1タイトルだろう。
だが、そんなレジェンドに対して競馬の神様は、残念ながら「空気を読んで」くれなかった。
有馬記念を9番人気アリストテレスで6着に敗れたこの日、ホープフルSの枠順が発表されたのだが、騎乗を予定しているアスクワイルドモア(牡2、栗東・藤原英昭厩舎)の入った枠は、よもやよもやの8枠15番だった。
レースが終わるまで結果は分からないとはいえ、G1昇格前を含めた中山のホープフルSで8枠に入った馬はなんと未勝利。これには自身の公式サイト武豊日記で「リーチ一発で決めたい気持ちも当然持っています」と意気込みを語っていたレジェンドにとっては大誤算かもしれない。
しかし、これまで数々の常識を覆してきた天才なら、それでもどうにかしてしまうのか、それとも来年まで持ち越す「ホープレスS」となってしまうのか。
はたして、最終関門クリア目前に引き上げられたハードルを、どのように乗り越えてくれるだろうか。武豊マジックの炸裂に期待したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。