JRA「もっと前行け、ボケィ」逆神でさえ岩田康誠の“不可解騎乗”に怒り心頭! 完璧予想から「父ちゃん違い」の満点オチ
5日の東西金杯から開幕した中央競馬は、続く8日からも怒涛の3日間開催。中日となる9日には中京競馬場でシンザン記念(G3)が行われ、横山典弘騎手の4番人気マテンロウオリオンが、見事な勝利を飾った。
なお、このレースには、C.ルメール騎手が騎乗したデビュー戦を圧勝した際、「新しいグランアレグリア」と絶賛したラスールも出走。単勝1.8倍の断然人気に支持されたものの、道中でスムーズさを欠いた影響もあり、7着と人気を裏切った。
キタサンブラック産駒として、昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)を圧勝したイクイノックスとともに注目を集めていたラスール。大物候補の敗戦により、3歳牝馬路線はまだまだ混戦模様が続きそうだ。
そして、このシンザン記念に注目していたのは、もはや競馬ファンから「逆神」として確固たる地位を築きつつあるあのお笑い芸人も例外ではなかった。思わぬ被害に遭ったのは、8日にYouTube チャンネルを更新した「霜降り明星」の粗品が扮する「生涯収支マイナス1億円君」だ。
詳細については『粗品 Official Channel』をご覧いただきたいのだが、シンザン記念の予想をアップした動画内で、ほぼ完璧な予想を披露したにもかかわらず、なぜか馬券をハズしてしまった。
「ラスールが化け物じゃなかった場合、着外に沈む可能性もある」と、いきなり鋭い読みから始まった予想で、「ラスール以外で一番複勝圏内に入りそう」な馬として、ビーアストニッシドを本命に指名。スローになりやすいと考えて、「1枠1番の成績もいい」とデータ的な後押しも説明し、「内枠に以上に強い岩田の父ちゃん」「むしろこれだけで買っても良いまである」と自信満々に自身の見解を述べた。
最終的な買い目として、最内の1枠1番ビーアストニッシドを軸に、2、3、6、7、8、9、10番相手の計7点を発表。ここまでは、ほぼ読み通りなら的中を約束されたようなものだったかもしれない。
だが、現実はあまりにも惨い結末が用意されていたのだから、これもまた彼が「逆神」として有名になってしまった所以なのだろうか。
実際のレースでは、ほぼ予想と同じ展開が繰り広げられ、化け物じゃなかった場合と危惧した大本命ラスールが馬群に沈んだ。
にもかかわらず、前に行くと読んでいた肝心のビーアストニッシドが、まさかの後方待機策を選択するという“オチ”が待ち受けていたのだから“持っている人間”は違う。
しかも、道中は行きたがる馬を岩田康誠騎手が引っ張り、喧嘩をするシーンもありながらも馬は大健闘。複勝圏内となる3着争いに敗れてハナ差の4着という、あまりにも残念な結果だった。
もし、岩田康騎手が動画で期待した通りの騎乗をしてくれていたなら、おそらく勝ち負けも夢ではなかった内容に、ビーアストニッシドを推したファンも、粗品もさぞかし落胆したに違いない。
この結果を受けてアップした9日の動画は、虚ろな目をした姿からスタート。動画内で「もし馬券を買っていたらめちゃくちゃ負けていた」と前置きしつつ、次に出たのはやはり「…買いました」と期待を裏切らないセリフだったことはさすがである。
続けて「もっと前行け」「何してんねん」「中途半端な」「もっと前もっと前もっと前」「ハナ差で4着やったんですよね(怒)」と、岩田康騎手への不満が大爆発する。紐に選んだ馬がすべて3着以内に入りながら、軸にした馬が4着に敗れたことに「意味ないんじゃ、ボケィ」と激怒。さらには「岩田の父ちゃん」ではなく「横山の父ちゃんが勝つんかい!」とボルテージはヒートアップしていった。
さすがにこれには、動画を見たファンから同情するコメントが多数ついた一方で、お陰で馬券が的中出来たと感謝するものもあった。
レース後は、ビーアストニッシドを管理する飯田雄三調教師から「内枠で溜めすぎたというか、手応えはあって余裕がありましたが、リズムを崩したりするところもあったかもしれません」と、岩田康騎手の“不可解騎乗”を暗に認めるかのようなコメントも出た今年のシンザン記念。陣営としても“予想外”ということだろう。
最後に「うわぁぁぁぁぁぁぁ」と絶叫しながら椅子から転げ落ちたところで動画を終了した粗品。馬券師としてはともかく、芸人としては100点満点どころか120点の “完璧予想”だったといえそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。