JRA 「勝たなアカン!見とけよ!」寡黙な岩田康誠が吠えた!? 嫌いなマスコミにも自慢したい京成杯(G3)出走の2億円ホースとは
16日、中山競馬場では3歳限定の京成杯(G3)が行われる。
皐月賞(G1)と同じコースで施行されるためか、勝ち馬や好走馬が3ヶ月後のクラシック1冠目で善戦することも珍しくない。そういった意味では、目が離せない注目の1戦といえるだろう。
そんな注目レースで目玉の1頭と目されているのが、7枠14番のホウオウプレミア(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)だ。
セレクトセール2019において2億7000万円(税抜)で落札された本馬は、順当に新馬勝ちを収めると、続く百日草特別(1勝クラス)でも2着に好走。短距離で活躍したロードカナロアを父にもちながら、中距離で2戦連続メンバー上がり最速を計測しているあたり、さすが高額馬といった能力の高さが感じられる。
美浦のウッドチップコースで行った最終追い切りは、僚馬2頭を4、5馬身追走する形でラスト1ハロンは10秒8をマーク。“プレミア”級のキレ味を見せたパートナーについて、レースでも騎乗する岩田康誠騎手は取材陣に「前回に比べて成長している。他の馬と比べてもリラックスしていてケチのつけようがない」と絶賛したと『サンスポ』が報じている。
続けて同騎手は「これだけの期待馬に乗せてもらえる以上、こっちは結果を求めないといけない。勝たなアカン!見とけよ!」と、京成杯に懸ける熱い思いをアピールした。名手の口からこれほどの言葉が出るのだから、現場の記者もかなり驚いたのではないだろうか。
しかし、ある記者が驚いたのは別のことのようだ。
「あの岩田康騎手が、久しぶりにレース前から取材に応じていましたね。
大きいレースは勝てば共同会見があるのでコメントしますが、最近は小さいレースの時や負けたレースの後はあまり話してくれません。週刊誌などでも明かされていますが、ここ1年くらいはマスコミへの不信感がピークに達して一切喋らなくなりました。雑談や挨拶はするのですが、どうも馬のコメントとなるとダメですね。
マスコミも完全に諦めて、最近では調教師や助手に話を伺うようにしていましたが、ホウオウプレミアについては岩田康騎手も相当期待しているようですね」(競馬記者)
岩田康騎手といえば、8日の中京7Rでデシエルトに騎乗し、武豊騎手がケンタッキーダービー(米G1)挑戦を志願していたジュタロウを破ったことが記憶に新しい。
だが、レースの後に取材に応じたのは管理する安田隆行厩舎のスタッフ。同様に翌9日のシンザン記念(G3)で騎乗馬が4着に敗れた際も、取材に応じたのは管理する調教師だけであった。
中々口を開かないことが多い騎手が、これほど得意げに話すのだから、ホウオウプレミアはかなり大きな器である可能性が高い。現にG3ながら、栗東から美浦まで調教を乗るため駆けつけているのだから、岩田康騎手本人も相当の器と感じているのだろう。
果たして大物候補のホウオウプレミアは、16日に初重賞制覇を飾ることができるか。達成されれば岩田康騎手の代名詞であるガッツポーズが飛び出しそうだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……