福永祐一騎手とカデナに「不安データ」?弥生賞を快勝したクラシック筆頭候補は本番・皐月賞だけでなく「向いてる」はずの日本ダービーも……
そんな中で、昨年のマカヒキが現行の中山2000mで開催されるようになってから、初めて2分を切った。だが、昨年の日本ダービー馬が先述した「歴史的名馬たちよりも上」と単純に判断することには首を傾げざるを得ないだろう。
つまり、弥生賞の走破タイム自体は早くとも遅くとも、それほど参考にはならないということだ。あのディープインパクトも弥生賞の時計は2:02.2と、そう目立ったものではない。
先述した歴代の勝ち馬はいずれも史上最強クラス。その気になれば2000mで2分を切ることなど容易い。何故なら、その約1カ月後に同舞台で行われる皐月賞では、簡単に2分を切る時計が記録されているからだ。
したがって、今回の弥生賞の走破タイムだけでカデナの能力、もっといえば「本番となる皐月賞で通用するか否か」を判断することはできない。
やはり弥生賞は「皐月賞の前哨戦」であり、本番を見据える有力馬たちはトライアル仕様の競馬しかしない。さらに今年も12頭立てであったように毎年小頭数でレースが行われる分、ペースも緩くなりがちだ。
つまり、小頭数で緩い流れになりがちな弥生賞と、18頭のフルゲートで厳しい流れになる傾向が強い皐月賞とでは「完全に異なる流れのレース」になる場合が圧倒的に多いということになる。
では、弥生賞と皐月賞が同じ競馬場で同じ距離で行われながら、どれほど「異なるレース」なのか……。
それは弥生賞と皐月賞を連勝した馬がシンボリルドルフ、サクラスターオー、アグネスタキオン、ディープインパクト、ヴィクトワールピサの5頭しかいないと述べればわかりやすいかもしれない。
つまり、同距離同舞台ながら大きく性質の異なるレースを連続で勝ち切るには、上記に並んだ名馬たちのような「史上最強クラスのポテンシャル」を必要とするということだ。
ならば、今年の弥生賞を勝ったカデナは本番では通用しないのか。
それを占う意味で、まずは下記をご覧いただきたい。これは左から過去5年の弥生賞の「走破タイム」と「前半と後半3ハロン」「前半後半3ハロンのタイム差」「勝ち馬と2着馬の皐月賞での着順」を記載したものだ。
その上で、注目していただきたいのは「前半後半3ハロンのタイム差」である。