JRA「僕のお気に入り」武豊が惚れ込んだ怪物が古馬になって本領発揮!? 復帰初戦はレジェンドの「相馬眼」にかけて負けられない戦いか
29日、東京競馬場の芝2000mを舞台に行われる白富士S(L)。昨年の牡馬クラシックを皆勤したディープモンスター(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)が、菊花賞(G1)以来の復帰戦を迎える。
主戦を務める武豊騎手は同馬について、自身の番組『武豊TV!Ⅱ』(フジテレビ系)内で、「この世代の僕のお気に入り」と、話していた逸材。また自身の公式サイトの日記でも「なにか得体の知れない奥深さがある」と綴るなど、高く評価している馬だ。
昨年2月のすみれS(L)を勝利し、デビュー4戦3勝で臨んだクラシックだったが、皐月賞(G1)7着、日本ダービー(G1)16着。そして菊花賞は5着と、期待ほどの結果を残すことはできなかった。
だが皐月賞は関東への遠征の影響もあってか、マイナス8キロの馬体減。その後は京都新聞杯(G2)に出走を表明するも、体調が整わずに回避するなど、春はどこかチグハグな印象でもあった。
そして菊花賞はダービー以来、約5ヶ月ぶりの実戦だったが、見事掲示板に載って地力があるところを示した。武豊騎手はレース後、「思ったとおりのレースで精一杯頑張ってくれた。これからが楽しみ」と、古馬になってからの活躍に期待するコメントを残している。
4歳初戦の今回は、『netkeiba.com』の想定オッズでは現時点で1番人気に支持されるなど、多くの期待が集まっている。今後コントレイルやクロノジェネシスが抜けた古馬路線で活躍する1頭になるためにも、リステッド競走は難なく突破してほしいところである。
また、手綱を執る武豊騎手は違う意味でも、今回は負けられない一戦になりそうだ。
昨年のクラシックのお手馬には、自身が鞍上を務めてホープフルS(G1)3着、きさらぎ賞(G3)2着に入ったヨーホーレイクもいたが、より可能性を感じたと思われるディープモンスターをダービーの相棒に選んだ。
結果は16着と惨敗。一方のヨーホーレイクは川田将雅騎手と新コンビを組んだが、直線でスムーズさを欠き7着に敗れ、共に痛み分けのような結果に終わった。
だが、ヨーホーレイクはダービー以来の出走となった16日の日経新春杯(G2)で、川田騎手を背に見事に優勝。昨年の有馬記念(G1)で4着だったステラヴェローチェを破ったことで、今年の古馬中距離路線の上位候補に浮上している。
それほどの実力を有していたヨーホーレイクを手放してまで選んだディープモンスターと共に挑む今回は、さすがに落とすわけにはいかないだろう。
「ちなみに武豊騎手のもう1頭のお気に入りで、『現4歳世代では一番いい馬だと思った』というヴィヴァンは、現在1勝クラスで苦戦が続いています。ヨーホーレイクの件も含め、武豊騎手の相馬眼にかけても今回は負けられない舞台になりそうです」(競馬誌ライター)
なお白富士Sには、昨年の皐月賞でディープモンスターに先着したアドマイヤハダルや、京成杯(G3)の勝ち馬グラティアス、3連勝中のジャックドールなどが出走を予定している。
相手は決して楽ではなさそうだが、ここで結果を出せば再び評価が上昇することは間違いないだろう。レジェンドの相馬眼を証明するためにも好レースを期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。