【川崎記念(G1)展望】川田将雅と「最強コンビ復活」チュウワウィザードVS「強豪揃い」南関東勢! 逃げ争い激化なら伏兵の台頭も?
2月2日(水)には川崎競馬場で今年最初のG1・川崎記念が行われる。JRA所属6頭と南関東所属7頭の計13頭が出走を予定。実績上位馬の実力は拮抗しており、混戦ムードが漂っている。
そんななかでも実績最上位なのがチュウワウィザード(牡7歳、栗東・大久保龍志厩舎)だろう。
2年前の当レースを含め、これまで中央・地方のG1を3勝しているが、20年チャンピオンズCを最後に1年以上勝利から遠ざかっている。近6走は戸崎圭太騎手が手綱を取ってきたが、今回は春の大目標、ドバイWC(G1)を見据えて川田将雅騎手に手が戻る。
川田騎手とチュウワウィザードが最後にコンビを組んだのは2年前の川崎記念だった。好位追走から4角で先頭に立つ積極策を披露。終わってみれば2着ヒカリオーソに6馬身差をつける完勝だった。
デビュー2戦目からコンビを組み、通算成績は「7-2-1-0」と相性は抜群。元の鞘に戻った黄金コンビは26日に栗東CWでコンタクトを取り、6ハロン82秒6-ラスト11秒5の好時計をマークしている。
まずは1年1か月ぶりの勝利をつかみ、昨年惜しくも2着だったドバイの地で花を咲かせたい。
そんなチュウワウィザードに挑戦状をたたきつけるのは南関東勢である。
南関勢1頭目の刺客は、昨年の当レースでオメガパフュームに3馬身差の逃げ切り勝ちを収めたカジノフォンテン(牡6歳、船橋・山下貴之厩舎)。連覇を懸けての参戦となるが、近3走は大敗が続いている。
3走前の帝王賞(G1)は3番人気に支持されるが、10着に大敗し、陣営は「暑さ」を敗因に挙げていた。2走前のJBCクラシック(G1)では直線見せ場を作るも6着。このときは「右回りが響いた」と、陣営は分析。さらに前走チャンピオンズCでは10着に敗れた。
前走の鞍上を務めたM.デムーロ騎手は、逃げにこだわらず好位のインを追走するも、直線伸びを欠いた。レース後、M.デムーロ騎手は「馬混みは良くない。自分のリズムで走れたら、もっと走れていい」と話していたように、やはり逃げて自分の形に持ち込むのがベターだろう。
今回は主戦の張田昂騎手に手が戻り、先手を主張する可能性が高そうだが、そうなるとこの馬との兼ね合いがレースの鍵を握る。
2頭目は、紅一点のサルサディオーネ(牝8歳、大井・堀千亜樹厩舎)だ。
今月23日の東海S(G2)にも登録があったが、陣営は輸送距離なども考慮し、川崎記念参戦を選択した。
これまで挙げた全11勝を逃げ切っているように、ハナを切れるかどうかが全てだが、カジノフォンテンに比べると、短めの距離を使われており、テンのスピードはこちらが上か。両者が引かずに激しいハナ争いに発展するようなことがあれば、共倒れの可能性も出てきそうだ。
これまで牝馬重賞を中心に使われてきたが、今回は強力牡馬が相手。ただし、3走前の日本テレビ盃(G2)を牡馬相手に勝っていて不安はない。レース史上初の牝馬による優勝を狙う。
今年はチュウワウィザードと南関勢2頭による三強の様相を呈している。ただし、他のJRA勢も黙ってはいないだろう。
前走の名古屋グランプリ(G2)で重賞初制覇を飾ったヴェルテックス(牡5歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)は、横山武史騎手が引き続き手綱を取る。これまで2000m以上の距離では5戦して「2-1-2-0」と堅実。地方競馬の深い砂も苦にしない。
川崎記念5度目の出走となるケイティブレイブ(牡9歳、美浦・清水英克厩舎)。18年に優勝、翌19年にも2着に入っている。鞍上は大井所属の笹川翼騎手を予定している。
この他には、M.デムーロ騎手騎乗のヒロイックテイル(牡5歳、栗東・本田優厩舎)、これが転厩2戦目となるロードゴラッソ(牡7歳、川崎・佐々木仁厩舎)なども上位をうかがう。
展開次第では思わぬ伏兵追い込み馬の台頭も予感させる今年の川崎記念。発走は2月2日16時10分を予定している。