JRA武豊「恨み節」もついにストップか!? 東京新聞杯(G3)チグハグ連敗馬に絶好舞台も……、大幅割引は「重賞73連敗」の三冠トレーナー
6日、東京競馬場では春の大一番・安田記念(G1)を見据える芝1600m戦、東京新聞杯(G3)が開催される。フルゲート16頭のレースに22頭が登録。前哨戦の段階からすでに激しい争いが始まっている。
近年の勝ち馬からは、リスグラシュー、インディチャンプなど後のG1馬も輩出しているようにレースレベルも上昇一途。今年も注目の一戦となりそうだ。
下馬評としては秋華賞(G1)2着の実績が光るファインルージュ、連覇を狙う昨年の覇者カラテ、短距離重賞で安定のホウオウアマゾン、3連勝中のプリンスリターンの4頭が、他馬をリードする人気を集めている。
だが、これら以外にも一発の魅力を秘める馬が多数出走を予定しており、予想をするにも難解な一戦であることに間違いはない。
中でも配当的に妙味がありそうなのは、大きく人気を落とすであろうシュリ(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
近2戦はエプソムC(G3)14着、京都金杯(G3)10着と冴えない成績が続いているものの、巻き返しのヒントは武豊騎手のコメントにある。
1番人気で5着に敗れた昨年の京都金杯では「4コーナーから行きっぷりが悪く、馬場の悪いところに脚を取られた。こんな馬場は苦手なのかも」と振り返っていた武豊騎手だが、4番人気で10着に敗れた今年もまた「折り合いはつきましたが、ぼこぼこした今日のような馬場は苦手なのかも」とほぼ同じような内容だった。
このコメントからも、2年続けて敗因が馬場にあるという見立てをしていることは間違いない。なら先週末の開催で好時計が出ていた現在の東京はむしろ絶好の舞台。これで走らなければ「言い訳不可能」ともいえそうな条件が揃った。
その一方で、想定外の事態があったとすれば、武豊騎手がきさらぎ賞(G3)でアスクワイルドモアに騎乗するため、鞍上が秋山真一郎騎手へと乗り替わる点だろう。同騎手は昨年5月新潟の谷川岳S(L)でシュリに騎乗し、1着と結果を出したとはいえ、武豊騎手からのパワーダウンは否めない。
そして鞍上弱化よりもさらに深刻に思えるのが、シュリを管理する池江厩舎の低迷ぶりだ。
かつてはオルフェーヴルを育てた三冠トレーナーとはいえ、近年は重賞で存在感が薄れるばかり。2020年阪神C(G2)からの重賞連敗記録は、先週のシルクロードS(G3)の敗戦でついに73連敗まで伸びてしまった。
巻き返しの条件が整ったシュリにとっても決していい流れとはいえなさそうだが、不振が続く調教師による「負の連鎖」を断ち切ることが出来るだろうか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。