JRA C.ルメール、武豊を「置き去り」の大楽勝に国枝栄師も好感触! デビュー戦「6馬身」勝ちドゥラメンテ産駒の本領発揮は芝でこそ?
13日、東京競馬場で行われた4Rの3歳・新馬(ダート1600m)は、丸山元気騎手の4番人気ショウナンダール(牡3、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。ドゥラメンテ産駒からまた楽しみな1頭が登場した。
「ケイコでは半信半疑でしたが、いい勝ち方でした。直線は走りがバラバラになっていたので、まだ伸びしろもありますね」
デビュー戦の手綱を任された丸山騎手も、パートナーの能力を再確認。レースを走って証明した能力の高さに、“半信半疑”から確信に上方修正したのかもしれない。
「現状はダートが良さそうですが、体がしっかりすれば芝でもやれそうです」と続けたが、スピードを感じさせる走りは、芝でも問題がなさそうだ。
雨が降る中、重で行われた16頭立てのレース。好スタートを決めたショウナンダールは、先手を主張したタイセイレーヴを先に行かせて2番手で追走する。道中も抜群の手応えで進み、4コーナー入り口で逃げ馬がバテると、押し出されるように先頭に立った。
その後も軽く追われただけで、後続との差は瞬く間に広がり、ゴールでは2着馬に6馬身もの差をつける圧勝劇。まさに“回って来ただけ”の独演会ともいえるパフォーマンスを披露した。
1分38秒9の勝ち時計こそ目立たないが、メンバー最速となる36秒1の上がりで、2位の36秒8に0秒7差ならモノの違いが伝わる数字だ。このまま順調にダート路線を進むと、東京ダート1600mの同舞台で行われるフェブラリーS(G1)も視野に入りそう。
その一方で、本馬の血統が決してダート専門ではないことにも触れておきたい。
母系はダイワスカーレット、ダイワメジャー、ヴァーミリアンなどが出ているスカーレットインクの一族でもあり、血統的には芝ダートどちらでも走れる素地がある。
丸山騎手が「芝でもやれそう」とコメントしただけでなく、管理する国枝調教師も「芝も考慮に入れたい」と評しており、今後の路線はまだ流動的。陣営としては芝ダートの二刀流もこなせる見立てということだろう。
少なくとも3着に敗れたC.ルメール騎手のミッキーキングや5着だった武豊騎手のキングスウェイらの僚馬よりは、期待できそうな雰囲気があった。
芝に比べてダートのJRA重賞は少なく、ユニコーンS(G3)とレパードS(G3)くらいしかないことも事実。デビュー戦で見せた走りが芝でも通用するようなら、なかなか侮れない実力の持ち主となるのではないか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。