JRA吉田隼人「ドン詰まり」強行突破の代償は斜行戒告、武豊も認めた大本命馬の敗戦にファンから不満続出?

岩田望来騎手

 6日、阪神競馬場で行われたアルメリア賞(3歳・1勝クラス)は、岩田望来騎手の2番人気ピースオブエイトが優勝。昨年7月の新馬戦以来と久々のレースだったが、ブランクを感じさせない力強い走りでデビュー2連勝を決めた。

「ラストはいい脚でした。2戦目でこの内容。成長の余地はありそうですし、これからも楽しみ」と岩田望騎手が振り返る通り、経験豊かな同期を相手にメンバー断トツの上がり3ハロン最速タイムをマーク。今後ダービートライアルなどに出走することがあれば、是非とも注目したい馬である。

 弥生賞(G2)武豊「M.デムーロ挑発」も忍耐の2着!?

 その一方で、ダービー出走に向けて負けられない一戦で痛恨の敗北を喫してしまったのが吉田隼人騎手のジュンブロッサム(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 本馬はデビュー2戦目の東京芝2000mの未勝利戦を当時の2歳コースレコードで制すると、続く3戦目の共同通信杯(G3)で4着と好走。デビューから3戦連続で騎乗していた武豊騎手が本馬の素質を評価していることや同レースの6着馬と8着馬が次戦の1勝クラスを完勝していることも、単勝1.4倍と断然の支持が集まった理由だろう。

 7頭立てで行われた芝1800m戦。まずまずのスタートを切ったジュンブロッサムは、道中はインの3番手を追走する。逃げたメイショウウネビが前半1000m59秒4の平均ペースを作り出し最後の直線を迎えた。

 あとは、内で溜めた脚を弾けさせるだけ。多くのファンがそう思っただろう。

 しかし、4コーナーで他馬が壁になって外へ持ち出せず。吉田隼騎手は内を狙う作戦に切り替えたが、ホウオウバニラに寄られて前が開かない事態に。

 残り1ハロンを過ぎてようやく1頭分のスペースをこじ開けて追い上げるが、進路探しに手間取っている間に抜け出していたピースオブエイトには及ばず。3/4馬身差の2着に敗れた。

吉田隼騎手「もっと堂々と競馬した方が……」

吉田隼人騎手 撮影:Ruriko.I

「後ろにいる勝ち馬を意識しているうちに、早めに動かれてしまいました。大トビでエンジンのかかりが遅かったです。もっと堂々と競馬した方が良かったですね」

 レース後に直線の仕掛けが遅れたことなどを悔やんでいた吉田隼騎手。追い切りには騎乗経験はあるが、実戦では初騎乗となる馬だけに、特徴などが掴み切れていなかった部分もあるだろう。

 大本命馬の不完全燃焼に納得がいかなかったのは、ジュンブロッサムの勝利を信じて疑わなかった一部のファンだ。ネットの掲示板やSNSなどでは「7頭立てでドン詰まりって……」「本当にリーディング8位なの?」「前走乗ってた武豊騎手だったらなぁ」といった吉田隼騎手を非難する声も見受けられた。

「ゴール板を過ぎてから、勝ったピースオブエイトを楽に交わしていたように、まだ余力が残っていたような気がしますね……。非常にもったいないレースだったと思います。もしスムーズに走れていたら、分からなかった内容でした。

ジュンブロッサム陣営としては自己条件を勝って、ダービートライアルに駒を進めるのが青写真だったと思います。それだけに今回の敗戦は痛いですね。1勝のままだとトライアルですら除外の可能性も出てきます」(競馬誌ライター)

 図らずもファンから厳しい声が上がった吉田隼騎手だが、強行突破を試みた結果、JRAからも直線コースで内側に斜行したことについて戒告を与えられてしまった。今回はファンにとっても、人馬にとっても手痛い敗戦だったかもしれない。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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