ファンディーナの心配事は日米オークス馬シーザリオでさえ陥った「罠」?課せられるのはフラワーC(G3)の「勝ち方」だ
実際に、ファンディーナの父ディープインパクトの産駒が最も良績を残しているカテゴリーが新馬戦であるように、ディープインパクト産駒はスローであればあるほどパフォーマンスを上げる傾向にある。
ファンディーナもその父の傾向を引き継いでいる可能性は確かに存在し、それが現状の本馬の「最大の懸念材料」であることも間違いないだろう。
しかし、今回のフラワーCに関して、その問題はそれほど神経質になる必要はなさそうだ。
過去4年間(5年前は雨で重馬場、6年前は阪神開催)のフラワーCの1000m通過タイムは、昨年から61.5秒、61.7秒、62.1秒、62秒と例年ペースが上がっていない。これはほぼ同時期に同舞台で行われるスプリングS(G2)の1000m通過が過去4年中3年で60秒台前半で推移していることからも、フラワーCがいかに遅いかがわかる。
無論、それでもファンディーナが過去2戦で経験したペースよりは速くなる可能性が高い。だが、今年の出走予定メンバーにこれといった強力な逃げ馬がおらず、例年よりもペースが上がることは想像し難いのが現状だ。63秒から61秒台後半への推移程度であれば、いずれもスローペースには間違いなく、大きな問題にはならないだろう。
ただし、ファンディーナが仮にフラワーCを制して次走に桜花賞(G1)を選択した場合、この問題は一気に深刻化する。
1987年のフラワーC創設以降、このレースを制して桜花賞を連勝したのは、ダンスインザムードとキストゥヘヴンの2頭だけである。
これだけでファンディーナが厳しいと述べるつもりはないが、キストゥヘヴンはフラワーCで1000m通過が59.3秒という流れを経験しており、ダンスインザムードも重馬場で61.7秒という厳しい流れの他、過去2戦で共に60秒を切るマイル戦を経験していた。