ファンディーナの心配事は日米オークス馬シーザリオでさえ陥った「罠」?課せられるのはフラワーC(G3)の「勝ち方」だ
顕著たる例は、2005年に日米オークスを制したシーザリオだ。
シーザリオが勝ったフラワーCは1000m通過が61.9秒というほぼ「例年通りのフラワーC」だった。そして、本馬は現状のファンディーナと同じようにデビューから2戦で61.8秒、61.9秒と緩い流れしか経験していなかったのだ。
だがその一方、2馬身半差で完勝したフラワーCの内容と負けなしの3連勝が高く評価され、本番の桜花賞を1番人気で迎えている。
ただ、これまで3戦で4番低下の競馬を一度も経験していなかったシーザリオは、桜花賞で1000m通過が58秒という流れを前に、位置取りを6-10-11と下げた結果、上がり最速で追い込んだものの2着に敗れている。道中では多少の不利があったが、それもペースに戸惑ったことが大きい。
当時の桜花賞馬ラインクラフトは紛れもない名牝だったが、8枠17番という旧阪神コースのマイル戦では圧倒的に不利な枠順だったことを考慮すれば、4枠7番のシーザリオは勝たなければならない一戦だったといえるだろう。
そういった点で、現段階のファンディーナはシーザリオの状況と非常に似通った点が多く、フラワーCのペース次第では、同様の轍を踏む可能性が危惧される。
ちなみに最大のライバル・ソウルスターリングが勝った阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)、チューリップ賞(G3)はいずれも1000m通過が58秒台で推移しており、同舞台で行われる桜花賞も、必然的にペースが速くなる可能性が高い。
したがって、ファンディーナは仮に桜花賞に進むのであれば、今回のフラワーCである程度タイトなペースを経験しておきたい。他馬に流れを作ってもらうことがベストだが、望めない場合は自ら作っても良いだろう。
当然、レースを勝ちにいくこと大前提として、本番にダメージを残さないことも重要だが、あまり”温いレース”を繰り返すと、本番で思わぬツケを払わされるかもしれない。