JRA【毎日杯(G3)展望】「超大物」ドゥラドーレスVS「雪辱」コマンドライン!「5億円馬」リアドら伏兵陣もハイレベル。昨年シャフリヤールに続くのは?
26日、土曜阪神メインは毎日杯(G3)が行われる。昨年はシャフリヤールがこのレースをステップに日本ダービー(G1)を制覇し、世代の頂点に立った。今年も大物感漂う3歳馬が顔をそろえそうだ。
昨年のホープフルS(G1)で1番人気に支持されたコマンドライン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が今年初戦を迎える。昨年6月の2歳新馬を快勝すると、2戦目のサウジアラビアRC(G3)は、ステルナティーアに競り勝って2連勝。しかし、続くホープフルSでは痛恨の出遅れもあって後方のまま12着に敗れた。
巻き返しを期す3か月ぶりの一戦は、C.ルメール騎手から4年目の岩田望来騎手に乗り替わる。1週前追い切りでは、デビュー後初めてとなる美浦に駆け付ける熱の入りようだ。初コンタクト後には「イメージ通りいい感触でした」と、クラシック候補生の乗り味の良さに手ごたえを感じている。
岩田望騎手がデビューからなかなか勝てなかった重賞レースも、2月の京都牝馬S(G3)で初制覇。騎手リーディング争いにも加わっており、有力馬でクラシックに進めるか。人馬ともに重要なレースとなりそうだ。
デビュー3連勝を逃したコマンドラインに挑むのは、デビュー2連勝中のドゥラドーレス(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。
新馬、セントポーリア賞(1勝クラス)はどちらもスタートを決められず、後方からの競馬を強いられた。しかし、東京の長い直線でそんなハンデもあっさり乗り越え、鋭く切れる脚を発揮した。
特に圧巻だったのが前走の勝ちっぷりだ。道中は8頭立ての6番手を追走し、4角では4番手に浮上。直線で戸崎圭太騎手がゴーサインを送ると、父ドゥラメンテを彷彿とさせる豪脚を繰り出した。
今回は初めての長距離輸送、そして右回り阪神コースという難題が立ちはだかるが、あっさりクリアしてもおかしくないだろう。3連勝で牡馬クラシックに名乗りを上げることはできるか。
関東馬2頭に対し、リアド(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は地の利を生かしたい。
父ディープインパクト、母タイタンクイーンという血統で、兄には鳴尾記念(G3)勝ちのストロングタイタン、姉にはNHKマイルC(G1)3着のギルデッドミラーがいる。海外の半姉2頭もアメリカの重賞を勝っている非常に優秀な牝系だ。
そんな血統背景もあって、自身は19年当歳セレクトセールで5億760万円(税込)の高値をつけ、デビュー前から高い注目を集めていた。
昨秋の2歳新馬戦は期待に違わぬ強さで快勝を収めると、2戦目の若駒S(L)では単勝1.6倍の1番人気に推された。ところが、いったん先頭に立つも道中でハナを譲るというややチグハグな競馬となり、リューベックの2着に敗れた。
前走で代打騎乗を務めた武豊騎手は「結果的に、行き切った方が良かったかもしれません」と反省を口にした上で、「細かい出し入れが得意ではないですね」と、今後に向けての課題も挙げていた。
今回はデビュー戦勝利に導いた福永祐一騎手が再び手綱を取る。「伸びしろを感じる馬ですね」という福永騎手のコメントから5か月。想定通りの成長カーブを描いていれば、ここはあっさり勝ってもおかしくない。
昨夏の小倉で新馬戦を勝利したピースオブエイト(牡3歳、栗東・奥村豊厩舎)。その後は間隔を空けて、今月上旬のアルメリア賞(1勝クラス)で復帰し、2連勝を飾った。今度は中2週と間隔を詰めての競馬となるが、無傷の3連勝で大舞台に向かうことはできるか。
テンダンス(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)は、すでに5戦を誇るキャリアが魅力。2戦目で勝ち上がると、3戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)ではイクイノックスの3着に好走。続く京成杯(G3)は5着に敗れたが、前走・自己条件のつばき賞(1勝クラス)を順当に勝利し、自身3度目の重賞に臨む。
19年当歳セレクトセールで2億9160万円(税込)で取引されたロードカナロア産駒のホウオウプレミア(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)も将来が楽しみな馬。前走の京成杯は6着に敗れたが、道中で後方に下がってしまう厳しい競馬を強いられた。それでも最後の直線では目を見張る末脚を見せた。
この中から昨年のシャフリヤールに続く馬は生まれるか。発走は26日15時35分を予定している。