JRA皐月賞(G1)岩田康誠デシエルト選択も… 選ばなかった馬に先着される「不吉」なジンクスが浮上! 密かに怖い「岩田キラー」といえる天敵に注目
先週、若葉S(L)、スプリングS(G2)と皐月賞トライアルの両レースを勝利した岩田康誠騎手。レース後の勝利騎手インタビューでは、質問に反論するシーンもあり、その対応を巡ってちょっとした“炎上騒ぎ”となった。
同騎手は今年に入って早くも重賞3勝を挙げ、近年の不振が嘘のような活躍ぶりを見せている。そんな絶好調騎手が2018年以来となるG1制覇を狙う皐月賞では、若葉Sを勝ったデシエルトとのコンビを予定している。
本馬はダートでの勝ち上がりとは言え、母系にはエアグルーヴ、近親にドゥラメンテがいるクラシック向きの血統だ。また、若葉Sの勝利騎手インタビューで見られた岩田康騎手の強気な発言から、本番でも大いに期待が持てそうだ。
一方、スプリングSを制したもう一頭のお手馬、ビーアストニッシド(牡3歳、栗東・飯田雄三厩舎)は皐月賞(G1)に和田竜二騎手とのコンビで挑む事が発表された。
そこで、今回のようにG1で岩田康騎手から和田竜騎手へ乗り替わりとなった過去のケースを見てみると、意外な事実が見えてきた。
過去、G1で同様の乗り替わりがあったケースは5回ある。そのうち、岩田康騎手自身も参戦していたレースは3回。そのいずれも、岩田康騎手は和田竜騎手よりも人気上位の馬に騎乗していたのだが、結果は3戦すべて和田竜騎手が先着していた。
しかも和田竜騎手の騎乗馬は9.13.13番人気と人気薄ながら、2.3.6着と人気を大きく上回る好成績を収めている。
2006年の日本ダービー(G1)で岩田康騎手は2番人気フサイチジャンクに騎乗し11着と大敗。一方、トライアルで岩田康騎手を背に好走しダービーの出走権を勝ち取ったアペリティフは、本番では和田竜騎手が騎乗し13番人気と低評価ながら6着と好走した。また2017年の菊花賞(G1)でも13番人気のポポカテペトルが3着と激走して見せた。
レースでは展開や時の運もあるとは言え、自身のお手馬に先着されるというのは、騎手として心中複雑な思いだろう。
G2のスプリングSを勝利したビーアストニッシドの能力が高いことは間違いない。ただ今回、岩田康騎手がデシエルトを選んだこともあり、皐月賞で同馬の相対的な評価も下がる可能性がありそうだ。
ただ、こういった過去を考えると馬券的な妙味はビーアストニッシドにあるかもしれない。
4度目の正直で岩田康騎手が4年ぶりにG1を射止めるか、それとも和田竜騎手が再びジンクスを継続させるのかにも注目したい。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。