シュウジの高松宮記念(G1)制覇に求められるのは「遅刻」? 阪急杯の惨敗要因と3歳時の「前例」を照らし合わせば挽回はほぼ「必然」か
これらの「お世辞にも強いとは言えない」馬たちにまさかの完敗を喫してしまったシュウジ。はたして大舞台で巻き返すことはできるのだろうか……。
……と、心配してしまう気持ちも分かるが、よくよく考えると前走の惨敗は度外視可能という見方もできなくはなさそうだ。
「シュウジは3歳時に2ケタ着順の惨敗を2度経験していますが、両レースに共通するのは【1400m以上という距離】です。昔はローテーションや番組の関係でマイル路線を使われていたのですが、もともとスプリンター気質の強い馬。本来の適性は1200mで、この距離に限れば小倉2歳S優勝を含めて4戦1勝2着2回と優秀な成績を収めています。唯一の馬券圏外もスプリンターズSの4着ですから、大きなマイナス要因ではありません」(競馬ライター)
確かに阪急杯での掛かり気味のレースぶりも、ペースの上がる1200mなら幾分か軽くなるはず。そういった意味で挽回の目はありそうだ。
「高松宮記念好走のためにさらに求められるものがあるとすれば、それは【出遅れ】です。シュウジのベストレースは2走前の阪神カップ。この時はゲートの出が悪く位置取りが後ろからになりましたが、その分馬群の中で折り合いも十分つき、最後は過去に見せたことのない上がり最速の末脚でイスラボニータを差し切りました。当時と同じくらいソロっとスタートして流れに乗れば、2走前と同じようなキレ味を発揮することができるかもしれません」(同)
昨年のスプリンターズSでは番手からの競馬で悪くない成績を挙げているだけに、今回どのポジションを取るかは微妙なところ。果たしてシュウジはきっちりスタートを切るのか、それともあえて「遅刻」をして最後の直線に賭けるのか、その答えは高松宮記念のゲートが開いた直後に明らかになるはずだ。