JRA C.ルメールに「天敵」が容赦ない追撃!? 名手を悩ます「黒歴史」がスランプ脱出に待ったをかけるか
不調が続く名手に、更なる壁が立ちはだかろうとしている。
先週末の24日、東京競馬場で行われたフローラS(G2)では、オークス(G1)への出走権が懸かるなか、2番人気のラスールに騎乗したC.ルメール騎手だったが、大きな見せ場もなく6着に敗退。
これで昨年の12月から継続している重賞連敗記録は「26」まで伸び、JRA移籍後初の大スランプが続いている。今年に入っては重賞のみならず、メインレースでも勝利がない不調ぶりで、全国リーディングでも現在4位と本来の姿にないことは明らかだ。
しかし、そんな失意のルメール騎手に更なる追い打ちをかけるように、今週末から頼れる外国人ジョッキーとして人気のD.レーン騎手が2年ぶりに日本にやって来る。今回は4月30日から宝塚記念(G1)が行われる6月26日までの約2カ月間の騎乗を予定している。
過去の来日時には勝利を量産しているだけに、日本の騎手にとっては脅威の存在。すでに5月からの重賞では、7日の京都新聞杯(G2)でブラックブロッサム、8日のNHKマイルC(G1)ではインダストリア、22日のオークスではスタニングローズなど続々と騎乗馬が決まる人気ぶりで、今年も久しぶりに“レーン旋風”が吹き荒れそうだ。
C.ルメールに「天敵」が容赦ない追撃!?
初来日となった2019年以降、両騎手が共に重賞でぶつかることは何度もあったが、なかでも印象深いのは、同年暮れの有馬記念(G1)だろうか。
当時、ルメール騎手とのコンビで競馬界を席巻していた断然人気のアーモンドアイを相手に、レーン騎手が2番人気リスグラシューで圧勝を決めたことは、多くの競馬ファンの記憶として今もなお焼き付いているはずだ。
そんな記憶を辿っていると、名手の意外な“黒歴史”が浮かび上がってきた。
過去、両騎手が揃って重賞で上位3番人気以内の馬に騎乗した時の成績を比較すると、レーン騎手が「4-3-0-2/9」で勝率44.4%、複勝率77.7%なのに対し、ルメール騎手は「1-0-0-8/9」で勝率11.1%、複勝率11.1%と信じられない大不振に陥っているのだ。
計9戦のうち唯一先着したのは、2020年のヴィクトリアマイル(G1)を単勝1.4倍の断然人気で勝利したアーモンドアイのみで、あとは軒並み馬券外に敗れており、まさに「天敵」といえる存在だ。
そして、今週末の30日に東京競馬場で行われる青葉賞(G2)では、早々に同じ局面を迎えようとしている。
現在『netkeiba.com』の予想オッズでは、レーン騎手のレヴァンジル(牡3、美浦・堀宣行厩舎)が1番人気、ルメール騎手のダノンギャラクシー(牡3、美浦・国枝栄厩舎)がそれに続く2番人気と、どちらも3番人気以内の上位人気想定となっている。過去の傾向から見ても、苦戦を強いられそうだ。
「天敵」の来日により不調が長引く可能性もでてきたが、果たして最初の関門で大きく流れを変える事はできるのであろうか。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?