JRA横山典弘「豪快ポツン」が復調の印!? マテンロウオリオンで狙う最多4勝…NHKマイルC(G1)は和生、武史に負けられない得意舞台

横山典弘騎手

 8日、東京競馬場でNHKマイルC(G1)が行われる。

 シンザン記念(G3)は、過去にジェンティルドンナやミッキーアイル、近年でもアーモンドアイやピクシーナイトが制した出世レース。今年の優勝馬マテンロウオリオン(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)もまた有力馬の1頭として名を連ねた。4戦連続で騎乗する横山典弘騎手も気合いが入っているだろう。

 NHKマイルCで武豊騎手と並んで歴代最多タイの3勝を挙げている横山典騎手にとってもここは絶好の条件。一昨年のサクセッションまで、延べ20戦して(3.5.2.10)。連対率4割、複勝率5割と驚異的な成績を残しており、抜群の相性を誇っている。

 ただ、大一番を前に横山典騎手がプチスランプに陥っていた。3月20日の阪神9Rで勝利して以降、先週の土曜阪神5R終了時点で自己最多連敗にあと一つと迫る48連敗を喫する深刻ぶり。これは並の騎手なら珍しくもない数字かも知れないが、ここまで通算2877勝を挙げている名手にとってはスランプと言えそうな連敗だった。

横山典弘「豪快ポツン」が復調の印!?

 しかし、そのままでは終わらないのが横山典騎手だ。先週土曜の阪神8Rで、メイショウマンサクに騎乗し約6週間ぶりとなる勝利を挙げて連敗ストップ。しかも、その内容は、スタート直後から離れた最後方を追走するいわゆる“ポツン騎乗”で前を行く全馬を一刀両断してみせた。連敗が続くと、ついつい大事に乗ってしまいそうな場面ではあるが、こういった状況でも普段と変わらぬ豪快な騎乗で勝ち切るところも名手たる所以なのだろう。

 さらに日曜の阪神3Rではマテンロウオリオンと同じ寺田千代乃オーナーの所有馬マテンロウマジックでも勝利を挙げ土日で連勝を飾る。勝てば最多4勝となるNHKマイルCに照準を合わせるかのように、勢いを取り戻したのは流石の一言である。

 G1通算26勝を誇る名手もアエロリットで勝利した2017年のNHKマイルCを最後に長らくG1勝利からは遠ざかっている。その前にG1を制したのも7年前の同レースであり、もし勝てば直近のG1勝利が3レース連続でNHKマイルCとなる。

 ちなみにこのレースには長男の和生騎手がオタルエバー、三男の武史騎手もソネットフレーズで参戦予定。父の威厳を見せつけるためにも負けられないレースとなるはずだ。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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