【データが示す】キタサンブラック大阪杯ぶっつけローテの「危険度」参考になるのは「あのレース」だ
理由は2つあり、まず宝塚記念以外のぶっつけ組がほぼ馬券に絡めていないこと、そして宝塚記念からのぶっつけ組の多くが秋古馬三冠を睨んでいる一方で、今回の検証馬が春古馬三冠を睨んだキタサンブラックただ1頭であるためだ。
過去10年の天皇賞・秋における前走・宝塚記念組は[2-3-1-14]。秋古馬三冠を睨む実力馬の出走も多いことから、最も優れた成績となる。
勝ったのは2007年のメイショウサムソンと2010年のブエナビスタ。2着は2009年のスクリーンヒーローと2013、14年のジェンティルドンナ。3着が2012年のルーラーシップである。なお、この中でメイショウサムソンとブエナビスタ、ルーラーシップと2014年のジェンティルドンナが古馬三冠を完走している。
錚々たるメンバーだが、ならばこのクラスの名馬ならば安泰かといわれれば、そうでもない。
例えば、2007年のアドマイヤムーンが2番人気6着、2011年のブエナビスタが1番人気4着と馬券圏外に敗れており、この2頭は次走でともにジャパンCを勝利していることからも「後々の戦いを睨み過ぎた結果、敗れた」といえる。
ただし、宝塚記念からのぶっつけで着外に沈んだ14頭の内、1番人気だったのは2011年のブエナビスタのみ。逆にローテーションの不利を跳ね返して1着となった2007年のメイショウサムソンと2010年のブエナビスタは、ともに1番人気に応えての勝利だった。
以上から月並みの結果となったが、例えぶっつけであったとしても、1番人気に支持されるような最強クラスの名馬であれば、信頼感は盤石なものがあるようだ。
したがって、今年のキタサンブラックはほぼ1番人気が間違いない状況なので、ローテーションの不利を跳ね返す可能性が高いといえる。だが、今後も春古馬三冠を目指しG1となった大阪杯から始動する有力馬がいる限り、この傾向は記憶の片隅に残しておきたいところだ。
(文=江坂幸太(ギャンブルジャーナル・データ班))