【徹底考察】青葉賞(G2) プロディガルサン「世代屈指の超良血馬の始動戦。本命候補も『死角』は存在する?」
【血統診断】
ディープインパクト×ストームキャットという配合は、種牡馬ディープインパクトにとって「最も相性の良い組み合わせ」と述べても過言ではない。全兄となるリアルスティール、ラングレー他、日本ダービー馬キズナにエリザベス女王杯(G1)を勝ったラキシスなど活躍馬は多い。その上、異母兄弟にはマルセルブサック賞(G1)をランプルスティルトスキンやヨークシャーオークス(G1)を勝ったタペストリーがいるなど、この馬自身が「世界的な良血」といえるだろう。ヌレイエフ×ミスプロ×ストームキャット×ディープインパクトという配合にスタミナ的なものは感じないが、同世代で走る東京2400mに大きな不安はない。ただ、当然ながら持続力が問われる厳しい流れになった場合、本来のキレを失って詰めの甘さを露呈する可能性はある。東京や京都での瞬発力勝負には滅法強そうな配合なので、今回もそうなって欲しいところだ。
≪結論≫
2歳の時点でトップクラスの実力を示していた馬が、故障上がりの復帰戦とはいえ上々の調整内容を示しているのだから、その実力は素直に評価すべきだろう。兄弟の活躍を見ても、ただの早熟馬ではない。例年の青葉賞は瞬発力勝負になる傾向が強く、プロディガルサンにとっては格好のレースだ。休み明けだけに折り合えるかが心配だが、じっくりと脚を溜めることができれば、日本ダービーにも名を連ねていることだろう。
ただ、1つ気になる点が帰厩からあまりにも時間が経っていることだ。実はプロディガルサンの骨膜炎は早々に回復し、2月の頭には帰厩していた。つまり、その気になれば弥生賞はともかく皐月賞には確実に間に合ったはずなのだ。使わなかったのは無理をしたくない陣営の判断だが、約3カ月の乗り込みは良く言えば入念。悪く言えばメリハリがないともいえる。
体調に問題はなさそうだが、あまりにも長い調整期間を得たせいで、馬自身のレースへ向けたメンタル面の切り替えができるかが心配だ。杞憂に終われば良いが、長く入念に調整した方が良いレースができるとは限らないのが競馬である。
(監修=永谷 研)