JRA降板騎手の「心身とも」に痛過ぎた結末、自身は3戦全敗のいいところなし…乗り替わりの「神騎乗連発」に心中複雑!?

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 一般的に「馬7騎手3」ともいわれている競馬の世界。

 誰が乗っても捕まっているだけで勝てたと評されるレースもあれば、他の騎手なら勝てなかったに違いないと絶賛されるレースもある。

 1番人気馬の連敗が話題に上がっている今春のG1レースにおいても、武豊騎手が史上最多となる6勝目を飾った日本ダービーをはじめ、勝ち馬に騎乗していた騎手の好騎乗が目立つレースも少なくなかった。

 混戦といわれるレースほど、ジョッキーの手腕が結果に影響を及ぼす比重が増し、時には3割どころか4割5割にも感じられることさえあるだろう。

酒井学騎手

 そういう意味では酒井学騎手にとって、3戦全敗に終わった先週末は心中複雑だったのではないだろうか。

降板騎手の「心身とも」に痛過ぎた結末

 土曜阪神で2鞍に騎乗し、それぞれ7着と9着に敗れていた酒井騎手だが、日曜阪神では5鞍に騎乗を予定していた。この中には乗り替わりで回ってきた馬もいれば、主戦を任されている期待馬も含まれており、勝ち負けを見込めそうなラインアップだった。

 しかし、思わぬアクシデントは突然に訪れた。この日初戦となった1Rの3歳未勝利戦を15番人気コイビトミサキに騎乗して14着に敗れた後に負傷。その後、騎乗予定だった残りの4鞍は他の騎手への乗り替わりが発表された。

 ツキに見放されたのか9Rの三木特別(2勝クラス)では、よりによって騎乗を予定していたロングランが10番人気で勝利。代打騎乗したのは荻野極騎手だった。

 酒井騎手の不運はこれだけで終わらない。

 続く10RのオークランドサラブレッドレーシングT(3勝クラス)でも酒井騎手が騎乗予定だった2番人気メイショウフンジンが、坂井瑠星騎手とのコンビで勝利。最後の直線で後続馬に一度は交わされながらも、差し返して突き放す強い勝ち方を披露し、こちらは同じ“サカイ” でも酒井ではなく坂井のオマケまでついてきた。

 騎乗の叶わなかった当人としても、乗り替わった騎手に勝たれたことは痛恨だったに違いない。

 ネットの掲示板やSNSなどでは一部のファンから「乗り替わりは大成功」「酒井学じゃ勝てなかった」「神騎乗過ぎた」という声も出たほど、荻野極騎手や坂井騎手の騎乗ぶりが絶賛されていたのだから……。

「いずれのレースも馬の強さより騎手の巧さが非常に際立つレース内容でしたから代打騎乗で勝利を挙げた騎手が称賛されたのも当然だったと思います。

勿論、当初の予定通りに酒井騎手が騎乗していたとしても2頭が勝てた可能性もありますが、代打の2人があまりにも巧過ぎたことはせめてもの救いだったかもしれませんね」(競馬記者)

 とはいえ、結果的に土日合わせて3戦全敗で終わり、うまくいけば2勝を加算するチャンスを逃がしてしまった酒井騎手には、体の負傷とともに精神面も含めて心身ともに踏んだり蹴ったりの先週末だったのではないか。

 負傷の詳細については情報がないものの、現在のところ大きなケガをしたという話は出ていない。この悔しさをバネにまた来週からターフで元気な姿を見せてくれることに期待したい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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