世界中のブックメーカーが認める「大本命」! 世界のマイル王「モーリス」が香港チャンピオンズマイル(G1)に挑む
昨年の香港マイルまでに12戦して8勝2着2回と優秀な実績を収め、重賞勝ち鞍こそなかったもののエイブルフレンド、モーリスに次ぐ3番人気に支持された。初めての一線級との戦いだったこともありレースは5着に敗れたが、年が明けてからも堅実に走り続け、2月末のクイーンズシルヴァージュビリーC(G1)で待望の初G1勝利を飾っている。
ビューティフレームも大きな差がなく、走破圏内の一頭だ。
前走のクイーンズシルヴァージュビリーCでは先述したコンテントメントの2着。最後に勝馬に屈した格好だが、タイトなペースを最後まで逃げ粘っている。昨年末の香港マイルでは6着と奮わなかったが、それでも7着ダノンプラチナや9着のフィエロに先着している以上、楽に逃げることができれば侮れない一頭である。
無論、いずれのライバルもG1を3勝しているモーリスの実績には大きく劣る。しかし、今のモーリスにとって相手関係よりも気になるのが、その「コンディション」だ。
昨年末に香港マイルを制し、JRAの年度代表馬にも選出されたモーリスは当初、今年の始動戦を2月末の中山記念(G2)とし、続くドバイターフ(G1)への調整レースにするといわれていた。
ところが、昨年末の海外遠征の疲労回復に手間取り、中山記念の参戦を自重。さらには蹄にも不安が出たため、ドバイ遠征も見送った経緯がある。
無論、それでも海外遠征をしてチャンピオンズマイルに出てくる以上は、走れる状態にあることは確かなようだ。そして、まともに走りさえすれば、この相手に後れを取る可能性は低いといえるだろう。
ただ、それでも今回はベストコンディションではないだろうし、先週のクイーンエリザベス2世C(G1)では日本の実績馬がすべて惨敗、地元の香港馬が上位を独占している。直前に降った雨の影響が大きかったといわれているが、チャンピオンズマイルも同様のシャティン競馬場で開催される以上、馬場コンディションにも注意を払いたいところだ。
それにしても、今週末は遠い香港の地と京都競馬場で、共にスクリーンヒーローの産駒が主役を務める。
産駒が何百頭といる大種牡馬ならまだしも、決して環境的に恵まれているとはいえないスクリーンヒーローの産駒が、世界を股に掛けて競馬の先頭に立っているのだから、日本全体の生産界にとっても本当に素晴らしいことである。
中小牧場が生み出した「奇跡」の結晶といえるモーリスとゴールドアクター。そういった意味でも、レースが終わった後も「主役」であって欲しいと願いわずにはいられない。