桜花賞(G1)大逆転へ武豊リスグラシューの追い切りに見る「変身」の跡。クラシックの勝ち方を知る男が施す「英才教育」とは
特にアルテミスSと今回の桜花賞の1週前追い切りでは、ともに武豊騎手が騎乗していることからも「変身」の跡がくっきりと見える。先述したように、全体時計こそアルテミスSの方が0.2秒速い。だが、ラスト3ハロンでは、逆に桜花賞の方が0.2速い。
これはそれだけ終いを伸ばすために馬を「コントロール」できているという証だ。
言い換えれば、武豊騎手が今年の牝馬クラシックを戦うパートナーに「英才教育」を施しているということなのだろう。
繰り返しになるが、同じ舞台で連敗を喫している以上、桜花賞でソウルスターリングを逆転することはそう簡単なことではない。しかし、こういった進化の積み重ねが今後、オークスなど距離が伸びて大きくものをいうはずだ。
チューリップ賞では道中やや引っ掛かり本来のキレを欠いたシーンも見られたが、桜花賞では「変身」した訓練の成果を見せつけたい。
ライバルは強いが、リスグラシューも確実に「前」へ進んでいる。
(監修=下田照雄(栗東担当))