「直行ローテの是非」桜花賞に挑むミスエルテは能力確かも不安材料多数…。末脚爆発にはファンタジーSの「再現」が必要か?
繊細な2歳牝馬にとって、ただでさえ牡馬混合戦は楽な舞台ではない。しかもG1という極限状況で窮屈な立ち回りを強いられたのだから、人気を裏切っても仕方ないことだろう。
むしろそれだけ厳しいレースになりながら、4着を確保した底力は讃えられるべきだ。
レース結果を見ると、馬券圏内に来たは最後方から追い込んだサトノアレスとモンドキャンノ、そして逃げ粘ったボンセルヴィーソだ。この3頭は「極端なポジション」にいたという点で共通している。
競馬において、極端なポジションの馬が上位を独占することは珍しくない。例えば逃げ馬が圧倒的な実力馬だった場合、追いかけた先行勢が総崩れになり、逃げ馬と追込馬による決着になることがある。単純な逃げ・先行有利or差し・追い込み有利」という判断基準に留まらず、「どのポジションが好走し辛かったか」を見極めることは重要なのだ。
そういった意味で、中団から「1頭だけ」脚を伸ばしたミスエルテのレース内容は、着順以上に評価してしかるべきだろう。同じような位置取りで敗れたダンビュライトやアメリカズカップが、次走の重賞で結果を出している点を考えても、この4着は相当価値が高い。
とはいえ、直行ローテで状態面や成長度が不明確なのもまた事実。スポーツ報知の報じたところによれば、一週前追い切りでは同厩のシルバーポジーと併せ馬を行い、「81秒8―11秒9」の時計をマーク。手綱を握った川田騎手も「元気いっぱいでした」とコメントを出しているように、仕上がり不足の印象は受けない。