JRAエフフォーリアがコケても「信頼度」は揺るがない!? ディープインパクト産駒もついにラストクロップ…ロケットスタートで政権交代を猛アピール
6月に入り2歳世代の新馬戦が続々とスタート。すでに新種牡馬サトノダイヤモンドやリアルスティールなどの初年度産駒がデビューを果たし、新たなスター誕生にも期待がかかる。
振り返れば、2010年から長きに渡り2歳リーディングサイヤーのトップ(2015年のダイワメジャーを除いて)に君臨していたのがディープインパクトだ。現役時代は日本競馬史上最高傑作の呼び声もあった同馬だが、その産駒からもコントレイルやジェンティルドンナなどの三冠馬を輩出し、種牡馬としても超一流の歴史を作り上げた。
しかし、ディープインパクトが2019年に死亡したことで現2歳世代がとうとう「ラストクロップ」となった。その数もわずか6頭に限られ、実質、今年の2歳リーディングサイヤーは他の馬で決まることがほぼ確定的といえる。
政権交代を迎えようとしている日本競馬史において、2歳世代の新馬戦が始まった6月から好調な滑り出しを切ったのが、昨年のランキングでディープインパクトに次ぐ2位だったエピファネイアだ。
初年度産駒から3冠牝馬デアリングタクト、2年目には年度代表馬エフフォーリアを輩出し、種牡馬としても7年目を迎えた。初年度は250万円だった種付け料も現在は種牡馬の中で最も高い1800万円まで上昇。種牡馬としての価値や実績も上昇の一途を辿っている。
そして、この時期を「待ってました」と言わんばかりに、初月からエンジン全開の大躍進を見せた。
ロケットスタートで政権交代を猛アピール
6月5日に東京競馬場で行われた芝1600mの新馬戦では、昨年の2歳シーズンを沸かせたコマンドラインの妹にあたる1番人気のエルダーサインを退け、エピファネイア産駒のモリアーナとエンジェリックアイがワンツーフィニッシュ。翌週の11日にも同競馬場で行われた芝1400mの新馬戦で、8番人気と伏兵扱いだったロッソランパンテが評判馬たちを相手に快勝した。
その勢いは止まらず、先週の25日には皐月賞馬ジオグリフが昨年初陣を飾った東京芝1800mの新馬戦で、DMMドリームクラブが所有するシャンドゥレールが優勝。26日には函館競馬場で行われた芝1200mの新馬戦でカワキタマックスが勝利し、6月だけで昨年の倍にあたる4勝を挙げる活躍ぶり。
他にも、牡馬牝馬ともにPOG(ペーパーオーナーゲーム)でも人気を誇る同産駒の期待馬がゾロゾロと後ろにデビューを控えている。昨年の阪神JF(G1)を制したサークルオブライフのように、2歳チャンピオンが誕生しても何ら不思議はない。
先日行われた宝塚記念(G1)では、エフフォーリア(1番人気、6着)とデアリングタクト(4番人気、3着)が揃って敗れたこともあって、巷では早熟説も囁かれているエピファネイア産駒だが、2歳リーディングサイヤーとしての視点で見ると、仕上がりが早いのはむしろ好都合でもある。
6月は初のタイトル獲得へ向け好発進を切ったエピファネイア。まだまだ始まったばかりだが、ディープインパクトの次世代を担う種牡馬はこの馬なのかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?