前走は「恵まれすぎた一戦」? 3連勝で桜花賞参戦のカラクレナイに立ちはだかるフィリーズR組の嫌な「ジンクス」。頼みの綱は今年に入って絶好調の……

 クラシック初挑戦の松下武士調教師には申し訳ないが、桜花賞は厳しい戦いになるかもしれない。

 ソウルスターリング&アドマイヤミヤビを筆頭に、有力馬が綺羅星の如く出現している牝馬クラシック路線。今週末の桜花賞へ向けて日に日に期待が高まるなか、トライアルのフィリーズR(G2)を快勝したカラクレナイ(牝3、栗東・松下武士厩舎)も順調に調整が進められている。

「netkeiba.com」が報じたところによると同調教師は共同記者会見の場で「先週の時点でほぼ馬は仕上がっていたので、反応を確認する程度でした。折り合いもついていましたし、スムーズに動けていたと思います」と話し、万全の状態面をアピール。自身としても管理馬を初めてクラシックの舞台へ送り出すだけに、いつも以上に気合が入っているのは間違いない。

 G1戦線を盛り上げるためにもぜひ活躍してほしいカラクレナイだが、その背後には「苦戦必至」の4文字を連想させるジンクスの影がちらついている。

 それというのも、同馬が経由してきたフィリーズRからは桜花賞の連対馬がここ10年でたった1頭しか出ていないのだ。

 該当するのは2010年の優勝馬・レジネッタ。だがこの馬は阪神JFに出走歴があるなどマイル経験が豊富で、1400mしか走っていないカラクレナイとは事情が異なる。また近年、フィリーズR経由で3着に好走した昨年のアットザシーサイドや2012年のアイムユアーズも同様にマイル経験を有しており、同列に並べることはできないだろう。

「2013年にオークスなど牝馬G1・3勝を挙げた名牝メイショウマンボですら、フィリーズR優勝後に挑んだ桜花賞では10着に敗れています。そもそも近い時期に本番と同じ舞台のチューリップ賞が存在するのですから、調整などが問題なく進んでいる馬はそちらを選ぶのがある意味当然です。そういった意味で、フィリーズR組の成績が芳しくないのは納得できるところがありますね」(競馬記者)

 カラクレナイがフィリーズRで見せたパフォーマンスには、確かに目を見張るものがあった。逃げ粘りを図った2着のレーヌミノルが世代トップクラスの実力馬であるだけに、その内容を高く評価する向きもある。

 だが冷静になって考えると、そう手放しに褒めてばかりもいられないかもしれない。なぜならフィリーズRでは大きな「紛れ」があったからだ。

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