「レイデオロは85点」「スワーヴリチャードには警鐘」鈴木和幸が見極めた全18頭の状態。皐月賞出走馬の最終追い切り診断公開中!
「プラチナヴォイス」は、ウッドの6Fから単走、テンの2Fは16秒4、14秒4のスローだったが折り合いピタリ、4Fからは13秒、12秒台にピッチが上がり結局馬なりのまま。それで82秒5-38秒1-11秒7の好タイム。前走時も同様の時計が出ていたが、いっぱいに追っていたから中身が違う。トライアルのスプリングステークス3着馬がデビュー以来最高のデキで大一番に臨む。
アーリントンカップを圧勝した「ペルシアンナイト」は、中間、坂路とウッド併用し、6本もの時計を出してきた。この中にはウッド2回の併せ馬が含まれ、どちらも11秒台の切れ。先週がレースでもよかったくらいだ。今週はもう長めは行かず4Fから、デムーロが最後の100メートルあたりから仕掛け、53秒2-38秒2、またしてもラスト1Fは11秒台、余裕のゴールだった。もはやレースを待つばかり。
横山典弘騎手が栗東にかけつけた「マイスタイル」は、ウッドで古馬との併せ馬。馬の気に任せ、追ったところなしだったのでクビ先着にとどまったが、ちょっとでも追えば大きく先着したであろう抜群の手応え、しびれた。鞍上いわく、「いうことなし!」。弥生賞の2着前残りを、展開の利だけとはいえなくなったすごいデキ。
藤沢和雄厩舎の2頭は木曜追い。まずは「レイデオロ」。昨年12月のホープフルステークス以来の4カ月ぶり、疲れをとってからの乗りだしで、初時計は3月22日と遅い。それでも先週までに坂路、ウッドで時計は9本の乗り込み。量的にはこれで十分かと思うが、大半が馬なりで目につくほどの速い時計もなし。その辺りが心配される。最終追い切りは3頭併せの最内、馬なりでウッド5F71秒0-40秒0-12秒9、外には1馬身先着したが、中には1馬身遅れてしまった。しかし、脚色には余裕があり、久々を感じさせない軽快なフットワーク、時計の遅さに不満は残るが、85点はやってもいいだろう。
一方の「サトノアレス」も同様のウッドでの3頭併せ。こちらは先行する前を最内からきっちり捕らえて併入の5F67秒8-38秒5-12秒5、馬なりで軽快に動き、以下にも気分がよさそうな、折り合いピタリの動き。2歳チャンピオンでもあるし、前走4着はスタートでつまずいたための位置どりの悪さと敗因ははっきりしている。2週続けて手綱をとった戸崎圭太騎手の感触も上々だったようで、「一度使ってよくなっています」ときっぱり。巻き返しの準備万端整った。
●競馬評論家・鈴木和幸
競馬記者歴45年、競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を本誌予想として初めて達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。
著書に「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」「勝ち馬がわかる競馬の教科書」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)「図解競馬の参考書」(宝島)など多数。「勝ち馬がわかる競馬の教科書」は競馬書籍としては快挙とも呼べる、約7万部を発行している。