戸崎圭太「苦い記憶」払拭へリベンジ!? 祖母は凱旋門賞馬の超良血がデビュー勝ち
27日、新潟競馬場の6Rに行われた牝馬限定・2歳新馬(芝1600m)は、戸崎圭太騎手の3番人気デインバランス(牝2歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が直線内から鋭く伸びて優勝した。
フルゲート18頭の一戦。デインバランスは1枠2番から好スタートを切ったが、好位5、6番手のインに控える。1000m通過は63秒5のスローペース。4コーナーでは馬群がほぼひとかたまりとなって最後の直線に入る。
戸崎騎手は開催終盤で馬場が荒れてきたインコースを選択。ジワジワと加速すると、先に抜け出していたシロノクミキョクをゴール直前でクビ差とらえた。
「あまり馬場コンディションが良くなかったと思われる内を通って差し切っただけに、かなりの価値がありそうです。記録した上がり3ハロンもメンバー中最速となる33秒4でした。
人気こそアパパネの仔アスパルディーコやアサクサヴィーナスに譲っていましたが、ここでは力は1枚上だったのではないでしょうか。これから牝馬クラシック路線で楽しみな1頭になるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
レース後、戸崎騎手は「初速は鈍かったが、エンジンがかかってからはしっかり伸びてくれた」と最後の脚を評価。管理する杉山晴師は「いったん放牧に出して間を開けます」とのコメントを残している。
なお、デインバランスはその杉山晴師が手掛けた三冠牝馬デアリングタクトと同じエピファネイア産駒。母父はG1・10勝のフランケルで祖母が凱旋門賞馬デインドリームなのだから、超良血と言っても過言ではないだろう。
ちなみに半姉には、今年のオークス(G1)で6着に健闘したルージュエヴァイユがいる血統になる。
昨年の「苦い記憶」払拭へリベンジ!?
今回のデインバランスのレースぶりは、同じく戸崎騎手が手綱を務め、エフフォーリアの弟ヴァンガーズハートをゴール寸前で内から差した姉ルージュエヴァイユの新馬戦を彷彿とさせるものもあったか。
姉はその後、デイジー賞(1勝クラス)も制して連勝。引き続き戸崎騎手とのコンビでオークスの優先出走権をかけフローラS(G2)に臨んだが、最後の直線でスムーズさを欠いて5着に敗れている。
「直線で追い出したところ、前を走っていた馬が壁になる“ドン詰まり”の状態になってしまいましたね。残り200mあたりで進路ができてからは猛然と追い込んできましたが、掲示板を確保するのが精一杯でした。
これにより大一番への出走は絶望的かと思われましたが、賞金ボーダーが下がったことで何とか出走枠に滑り込み、池添謙一騎手とのタッグで無事に参戦を果たしています」(同)
最終的には何とか出走に漕ぎ着けたものの、他力本願に頼らざるを得なかったのは主戦を務めていた戸崎騎手にとってもやや悔いが残ったかもしれない。
姉のリベンジというわけではないが、戸崎騎手には妹のデインバランスを堂々とクラシックへ導いてくれることに期待したいところだ。