皐月賞、大穴プラチナヴォイスが「秘密兵器」で激変!? 仮想ファンディーナをターゲットに「勝つ気満々」の最終追い切りが”不気味”過ぎ……
「(先に抜け出すと)内に行っちゃうので、まともに追えませんでした……」
先月19日のスプリングS(G2)。3着に敗れたプラチナヴォイスに騎乗していた和田竜二騎手はレース後、そんな悔しそうなコメントを残している。
レースは1000mを60.3秒で通過しながらも、さらに流れ続けるという本番さながらの厳しいペースだった。中団外から早めに先頭集団に取りついたプラチナヴォイスは、最後の直線入り口で先頭に立つ強い競馬。脚色もよく、重賞初制覇は目の前と思われた。
ところがそこから急激に内側へ斜行。和田騎手も何とか立て直そうと右ムチを打ち続けるが結局内ラチまで切り込み、その後もずっともたれ続けて失速。ウインブライトとアウトライアーズの強襲を許しながらも、なんとか優先出走権を掴んだ。
勝った馬からは約1馬身差だけにレース後、和田騎手が嘆くのも無理はない。もしもまともに走っていれば、勝ち切っていた可能性が高い内容だった。
和田騎手が「能力的には通用している」と話した通り、世代屈指の高い能力を持ちながらも、こと右回りのレースにおいては「致命的な弱点」を抱えている。それがプラチナヴォイスの評価だった。皐月賞では土曜現在でも12番人気という人気薄に甘んじている。
かく言う編集部も当初は「消し」の判断だった。仮にプラチナヴォイスが皐月賞で見せ場を作ったとしても、最内までもたれるようでは、待っているのは開催2カ月間で荒れに荒れた馬場である。土曜段階でもほぼ全馬がインを避けて外側を通っており、そんなところを走れば当然致命傷になることが容易に想像できたからだ。
そこで管理する鮫島一歩調教師を始めとする陣営は、もたれ癖を防ぐために今回からあえて右側だけ深いブリンガーを装着することを決めた。
ただ、ブリンカー自体は以前から付けており、スポニチの取材に応えた和田騎手も「これで極端に変わるかは分かりません。それでも、何も手を打たないよりは良いかと……」と気休め程度に考えていたようだ。
だが、12日のプラチナヴォイスの最終追い切りを見て驚いた。