【皐月賞(G1)回顧】「信じられない」若武者・松山弘平とアルアインが大波乱の主役に躍り出る! ファンディーナ69年ぶりの偉業ならず
左手で何度も何度もこぶしを握り締めた。充実の27歳がついにビッグタイトルを手にした。
16日に行われた第77回皐月賞(G1)。空前の大混戦といわれていた牡馬クラシック第1弾に、突如として現れた怪物牝馬ファンディーナの挑戦。勝てば69年ぶりの大偉業達成とあって、中山競馬場には昨年を超える5万3000人が詰めかけた。
先週とは打って変わって晴天となった中山競馬場。前日から時計の速い馬場に変貌しており、昨年に続くレコード決着もあり得る高速馬場となっていた。
1番人気は偉業への期待が高まるファンディーナで2.4倍。2番人気には相性のいい共同通信杯(G3)の覇者スワーヴリチャード。3番人気には弥生賞(G2)を完勝したカデナ、アーリントンC(G3)で強い競馬を見せたペルシアンナイトが4番人気。牡馬は8番人気のサトノアレスまでが単勝20倍以下と、オッズ的にも大混戦といった様子だった。
ほぼそろったスタートは外からトラストが飛び出すも、アダムバローズがハナを主張。結局、アダムバローズが逃げて、トラストが2番手という形で1コーナーへ飛び込んだ。抜群のスタートを切ったファンディーナも好位につけ、スタートが課題だったスワーヴリチャードも、いつになくいいスタートを決めている。
1000m通過は59秒と皐月賞らしい締まったペース。先頭は変わらずアダムバローズ、2番手にトラスト、3番手には外からクリンチャーが浮上し、アルアインもそれに続いた。ファンディーナはそれに次ぐ好位のインで脚を溜め、それを見るような形でダンビュライトが追走。内からスルスルとペルシアンナイトやカデナもポジションを上げ、前が止まりにくい馬場状態ということもあって、スワーヴリチャードやウインブライトも早めの競馬になった。
3コーナーを回るといよいよペースが上がり、今度はトラストが先頭に。それをクリンチャーがマーク。外からファンディーナとダンビュライトが絶好の手応えで並びかける。
4頭が並ぶような形で最後の直線へ。ファンディーナが力強く先頭に立ったが、いつもの伸びがない。そこに内からペルシアンナイトとアルアイン、外からダンビュライトが交わしにかかる。