イスラボニータがマイラーズC(G2)で2年半ぶりVを狙う!阪神Cで「無謀」とも言える先行策を取らせた陣営の思惑は?
3歳時のセントライト記念制覇以来勝ち星から遠ざかっているイスラボニータ(牡6、美浦・栗田博憲厩舎)。昨年にマイル路線へと照準を合わせてからは一時期のスランプを脱したものの、ここ3戦連続で2着と歯がゆい競馬が続いている。
「フジキセキ産駒唯一のクラシックウィナー」という他の馬にない際立った長所を持つだけに、引退後は種牡馬入りする可能性が高い同馬。だが、現時点で制したG1タイトルは14年の皐月賞のみと少々物足りない。古馬になってから活躍していない点も気がかりで、種付け需要の底上げを見込むならばもう1つはタイトルがほしいだろう。
年齢的にG1勝利のチャンスは今年がラストになるかもしれない。今年の初戦であるマイラーズCを気分よく勝って安田記念へ好スタートを決めたいところだ。
久々の勝利へ向けた陣営の新たな試みが垣間見えたのは前走・阪神カップ(G2)。デビュー以来初の1400m戦参戦に、競馬ファンからは疑問の声も上がった。インターネット上で「なんで今さら短距離路線に?」「高松宮記念でも狙ってるのかな」といった意見が出たのもある意味うなずけるところだ。
レースでは出負け気味のスタートを切った後、鞍上のルメール騎手がグイグイ促して逃げ馬の真後ろまでポジションを上げる積極策。直線で早め先頭に立ち一旦は完全に抜け出したが、最後はシュウジの強襲を受けてアタマ差の2着に敗れた。
新味を求めた距離短縮でも結果を出せず、おまけにクレバーなルメール騎手らしくない強引な立ち回りも目についた。一見すると無茶なレースだったように思えるが、その裏を読むと陣営側の「深~い」戦略の影がちらつく。
「マイラーズCに登録していることからも、陣営がイスラボニータを短距離馬にしたかったとは思えません。であれば前走で1400mを使った意図は何か。おそらく『短距離戦のペースを経験させて行き脚がつくように馬を作り変えたい』という思惑があったではないでしょうか。