ソダシの主戦騎手があわや「コンビ解消」の危機、一歩間違えれば最悪の事態にヒヤヒヤ
2日の中京12Rは、吉田隼人騎手が騎乗した1番人気カセノダンサーが、2着に4馬身の差をつけて圧勝。秋の中京開催を勝利で締めくくった吉田隼騎手だが、その心中は穏やかではなかったはずだ。
実はこのレースではスタートして間もなくアクシデントが起きていた。メイショウナパワンに騎乗していた角田大和騎手が向こう正面で落馬。そしてこの原因となったのが、他でもない吉田隼騎手だったのである。
何が起こったのかは、パトロールビデオを見るとよくわかる。大外の8枠16番からスタートしたカセノダンサーは勢いよくゲートを出て先団に付けようとするが、その際に内側に大きく斜行をしてしまう。これにより内側の馬群が密集し、その煽りを受けたメイショウナパワンが前の馬に触れてつまずき、騎手がバランスを崩して落馬をしてしまった。
この落馬によって角田和騎手は骨折をしてしまった模様。図らずも加害者となった吉田隼騎手には50000円の過怠金が課されることとなった。降着、失格といった事態には繋がらなかったが、吉田隼騎手にとっては後味の悪い勝利となってしまった。
ソダシとあわや「コンビ解消」の危機
その一方で今回の処分が過怠金に留まり、騎乗停止には至らなかったことについては安堵しているのではないだろうか。
仮に騎乗停止の処分が下されていれば、適用となるのは来週15日からとなる。その日に行われる重賞は府中牝馬S(G2)であり、このレースでは吉田隼騎手が主戦を務める白毛馬・ソダシが出走を予定している。
府中牝馬Sはソダシにとって秋の大目標・マイルCS(G1)へ向けた重要な前哨戦だ。成長と共に徐々に気難しい一面を見せていることを考えても、このレースで吉田隼騎手が騎乗できないとなれば大きな痛手となっていたかもしれない。
今回のアクシデントはあわや「コンビ解消」の危機に繋がりかねなかっただけに、吉田隼騎手、ソダシ陣営ともに肝を冷やしたのではないか。
怪我人も出ているだけに、今回の斜行は決して褒められたものではない。だが現役屈指のアイドルホース・ソダシが手の合う吉田隼騎手と共に、無事に府中牝馬Sに向かえることは我々ファンとしても一安心である。
今週末の毎日王冠(G2)ではポタジェ、来週の府中牝馬Sではソダシと、春のG1タイトルを獲得した2頭と立て続けに秋の始動戦を迎える吉田隼騎手。今後のG1戦線に向けて、クリーンな騎乗で活躍をみせてもらいたい。