15年ぶり「珍事」に本命党は歓喜!? 大混戦だからこそ生まれた歴史的高配当
10日、阪神競馬場で行われた京都大賞典(G2)は2番人気ヴェラアズール(牡5、栗東・渡辺薫彦厩舎)が優勝。5歳にして重賞初挑戦ながら、重賞勝ち実績のあるライバル相手に見事な初制覇を決めた。
道中10番手から直線で上がり最速33秒2の末脚を繰り出して差し切り勝ち。前日の毎日王冠(G2)に続いて2日連続重賞勝ちとなった松山弘平騎手も、レース後に「強い競馬でしたしこれから先楽しみ」と評したほど、今後の活躍に期待を寄せる好内容だった。
今年3月に芝へと転向したヴェラアズールは、これで5戦3勝と一気に頭角を現してきた。次戦は未定ながら、秋のG1戦線に現れた期待の新星と言っていいだろう。
15年ぶり「珍事」に本命党は歓喜!?
ニューヒーロー誕生で幕を閉じた京都大賞典だが、その裏では実に15年ぶりの珍事が生まれていた。
戦前は14頭立てでシンガリ人気のディバインフォースでさえ、単勝54.9倍と大混戦ムードだったこのレース。秋の大舞台へ繋がるG2ながら、実力的に抜けた馬が不在ということもあってか、オッズは割れに割れていた。
ところが、終わってみれば2着にはボッケリーニ(1番人気)、3着にはウインマイティー(3番人気)が入り、上位人気馬同士の堅い決着に……。荒れるレースを期待していたファンにとっては、少々拍子抜けする結末だったかもしれない。
とはいえ、その配当を見て驚いた方もいるのではないだろうか。何故なら、上位3頭が3番人気以内の馬という堅い決着だったにもかかわらず、3連複は3000円、3連単は14890円と意外にも高配当がついたからである。
特に3連複については、1番人気の決着で3000円の配当は超が付くレアケース。重賞ではここ20年で約180回近くあったものの、3000円以上となったのは今回を含めて僅か2回しかない。
ちなみに、もう1回は2007年の京成杯AH(G3)。この時は、キングストレイル(2番人気)→カンファーベスト(4番人気)→マイネルシーガル(1番人気)で決まり、3連複の配当は3170円だった。
一般的に3連複1番人気の組み合わせが、1000円を下回ることも珍しくないことを考えれば、京都大賞典が如何に異例だったことかがわかる。大混戦が故に生まれた歴史的な高配当だったといえるだろう。
そして、この15年ぶりの珍事に歓喜したのは、やはり本命党の馬券ファンだ。ネットの掲示板やSNS等では「え?そんな配当つくの?」「ラッキー」「おいしすぎる」など、思わぬ高配当に喜びの声が多く上がっていた。
オッズが割れた場合、このように上位人気馬同士の決着となっても、予想以上の高配当が飛び出すケースはしばしば見られる。とはいえ逆も然りで、人気薄同士の決着となっても思いのほか配当がつかないケースもあるのが競馬だ。
いずれにせよ、今回は上位人気馬同士の馬券を購入していた本命党にとっては、“嬉しい誤算”だったはずだ。