天皇賞・春で初戴冠を狙うシュヴァルグランに「嫌~な」データ?阪神大賞典2着馬はあの「歴史的名馬」すら惨敗したジンクスが
2強対決の裏で虎視眈々と初タイトルを狙う伏兵は、不吉なジンクスを破れるだろうか。
長距離路線ではもはや常連となったシュヴァルグラン(牡5、栗東・友道康夫厩舎)が、ステイヤーの祭典である天皇賞・春(G1)へスタンバイ。今年の主役と目されるサトノダイヤモンド&キタサンブラックに先着した経験はないものの、昨年3着の実績があるだけに期待は高まる。
そのサトノダイヤモンドに敗れた前走の阪神大賞典にしても、敗れはしたが実に内容の濃い一戦だった。
なんといってもまず優秀なのは時計面。サトノダイヤモンドが記録した3分2秒6は過去10年で最速だった2011年を2秒近く上回る好時計。2001年に往年の名ステイヤー・ナリタトップロードが2着に8馬身差をつけて打ち立てたレースレコードともコンマ1秒しか差がないのだから立派なものである。
シュヴァルグラン自身もサトノダイヤモンドからコンマ2秒遅れただけ。しかも勝負どころで自ら動き勝ちに行ってのもので、「負けて強し」といっていい内容だ。
またレースラップを見るとさらに凄みが際立つ。注目は1周目ゴール前付近に当たる6F~7F目で、11秒5→11秒7というマイル戦並のキツいラップを刻んでいるのだ。確かにこの地点でウインスペクトルが一気にハナを奪って大逃げの形に持ち込んでいるのだが、そこから最後まで一貫してラップの落ちる場所がないのもポイントである。
一般的に長距離戦で大逃げが起こった場合、どこかで逃げ馬がバテてレースのラップがガクッと落ちることが多い。だが、今年の阪神大賞典にはそれがなかった。これはレース自体のレベルが高かったことの裏付けになるだろう。要するに、上位2頭の図抜けたスタミナ能力は十分に示されているのだ。
スタミナ自慢のシュヴァルグランにとって、数ある中央G1の中で最も距離の長い当レースはまさにタイトル獲得のベスト舞台。当然ながら期待をしたいのだが、調べていくうちに「嫌~な」ジンクスを見つけてしまった。
それは「阪神大賞典の2着馬は天皇賞・春で好走できない」というもの。昨年のタンタアレグリアが本番で4着と敗れたほか、向こう10年遡っても3着以内に入った例はゼロ。当レースでは2006年のディープインパクト以来1番人気10連敗中のジンクスがおなじみだが、それに匹敵する重みを持っている。