前走「シンガリ負け」からの逆襲! 秋華賞で波乱演出の“爆穴”近親がデビューV

横山琉人騎手 撮影:Ruriko.I

 超人気薄の激走に驚いたあの秋華賞(G1)から、早くも9年の月日が流れた。

 15日、新潟競馬場の5Rに行われた牝馬限定・2歳新馬戦(芝1600m)は、横山琉人騎手のフィレット(牝2歳、栗東・藤岡健一厩舎)が1番人気に応えて優勝した。

 17頭立てのレース。7枠13番からスタートを切ったフィレットは、道中6、7番手の外目の位置。前半1000mは60秒1とやや緩く流れたが、鞍上が上手く折り合いをつけて3、4コーナーをスムーズに回る。

 最後の直線では馬場の中ほどに持ち出されて脚を伸ばすと、先に抜け出したオーグメントコードをゴール寸前でクビ差かわした。

「道中は外に馬を置かず、プレッシャーのかからないポジションにつけられたのもよかったですね。着差はわずかでしたが、好位からメンバー最速タイの上がりで押し切っており、今日のところは完勝といっていい内容だったのではないでしょうか。

また今後は折り合い面で難しい部分さえ見せなければ、追えば追うほど伸びそうなタイプだけに距離の融通も利きそう。成長力を秘めている血統なので、昇級してからも楽しみです」(競馬誌ライター)

 エピファネイア産駒のフィレットは、ロードホースクラブにおいて総額2000万円で募集された期待の1頭。シリウスS(G3)などダート重賞2勝のロードゴラッソや、芝ダート問わず短距離で活躍したレディルージュなどが近親にいる血統だ。

 また、一族には他にも2013年の秋華賞で3着に好走したリラコサージュがいる。

前走「シンガリ負け」からの逆襲!

 同年のスイートピーS(OP・当時)を勝利したリラコサージュは、本番のオークス(G1)でも8着に健闘。だが、休みを挟んで臨んだ秋華賞の前哨戦・ローズS(G2)では、18頭立てでまさかのシンガリ18着と大惨敗を喫してしまう。

 そういった経緯もあってか、秋華賞当日は単勝131.6倍の超人気薄。しかし、レースでは中団やや後ろのポジションを行きっぷりよく追走すると、最後の直線でもしぶとく脚を伸ばす激走。見事に馬券圏内に食い込んで波乱を演出している。

「雨の中、重馬場で開催されたローズSは、前半1000m58秒2のハイペースを積極的に追いかけすぎたのも大敗した理由の1つでしょうか。オークスからプラス20キロだった馬体もやや余裕残しだったかもしれません。

秋華賞ではマイナス12キロと絞れていた上、晴れの良馬場と条件も一変しました。勝ち馬のメイショウマンボには完敗でしたが、手綱を取っていた池添謙一騎手も最後の直線では一瞬『もしかして』と思ったみたいですよ」(同)

 そんなリラコサージュと同じケイアイファーム出身でロードホースクラブ所属のフィレットにも、今後は牝馬クラシック戦線での好走や、重賞制覇などの期待がかかってくるだろう。

 レース後、横山琉騎手は「背中がいい馬で今後が楽しみ」と将来性を評価。管理する藤岡師も「じっくり使っていきたい」と話している。次戦は未定のようだが、長い目で追いかけてみたい1頭だ。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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