「伝説の新馬戦」超えた朝日杯FS? セリフォス勝利で史上最強メンバー誕生か

セリフォス/撮影:Ruriko.I

 ハイレベルと評する声の多く出ている今年の3歳世代が、今秋のG1戦線で猛威を振るっている。

 スプリンターズSでウインマーベルが2着に食い込むと天皇賞・秋ではイクイノックスが快勝してダノンベルーガも3着。エリザベス女王杯では、上位人気を集めた馬が凡走するも、同世代で最も評価の低かった12番人気ライラックが2着同着と大健闘した。

 そして、セリフォスが優勝した先週末のマイルCS。古馬相手に毎度のように上位を賑わせる3歳世代の強さばかりが目立っている現状だ。

 当然ながら今週末のジャパンCでも、3歳馬ダノンベルーガの人気が必然的に上がってきそうだが、その前にひとつファンの間で大きな注目の集まったレースを振り返りたい。

 当初ジャパンCに参戦を予定していたドウデュースの回避は非常に残念だが、同馬の優勝した昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)は、セリフォスの勝利でますます評価が上がることとなった。

 同じレースに出走した複数の馬が、後のG1馬になることに対し「伝説の~」と例えることもあるが、昨年の朝日杯FSもまた、それに相応しいメンバーが揃っていたことを証明した。以下は、出走メンバーの成績となる。

■2021年朝日杯FS上位入線馬のその後のG1勝利

2021年朝日杯FS/撮影:Ruriko.I

1着 ドウデュース    日本ダービー
2着 セリフォス     マイルCS
3着 ダノンスコーピオン NHKマイルC
4着 アルナシーム
5着 ジオグリフ     皐月賞

 ご覧の通り、5着以内に入った馬のうち4頭が、翌年のG1レースを優勝していることが分かる。

 コントレイルやサートゥルナーリアなどが優勝したように、クラシック向きの芝2000m条件となるホープフルS(G1)に実力馬が集まりやすい傾向にあり、むしろ朝日杯FSは早熟系のマイラーが多い印象だが、昨年に限っては正反対といえる結果となっている。

 ホープフルS組は2着ジャスティンパレス、3着ラーグルフ、4着フィデルが善戦しているとはいえ、優勝馬キラーアビリティが伸び悩んだ。現在のところ、出世頭といえそうな京成杯(G3)勝ちのオニャンコポンといった程度で、既にG1馬が4頭誕生した朝日杯FSに大きく水をあけられた格好だ。

 また、近年はとかく「伝説の新馬戦」というフレーズが安売りされている印象も拭えなかったが、これくらいの活躍馬を出した昨年の朝日杯FSなら、伝説という名に恥ずかしくないだけの結果と言えるのではないか。

■最も有名な伝説の新馬戦(2008年10月26日京都芝1800m)

1着 アンライバルド   皐月賞
2着 リーチザクラウン  日本ダービー2着、重賞2勝
3着 ブエナビスタ    G1・6勝他重賞2勝
4着 スリーロールス   菊花賞

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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