「騎乗停止」C.デムーロに心配の声。「このまま帰国?」12月壊滅より痛い青写真の崩壊
27日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1)は、ヴェラアズールのR.ムーア騎手が勝利。元JRA騎手の安藤勝己氏が「馬場のいい所で追い出しを待ったムーアの我慢と、開いたら躊躇なく突っ込んだ判断も凄い」(公式Twitter)と絶賛する神騎乗で2度目の制覇を成し遂げている。
今秋はJRAの規定MAXとなる5人の外国人騎手が短期免許で参戦しているが、外国人騎手のワン・ツー・スリーは先日のエリザベス女王杯(G1)に続く2度目。改めて世界のレベルの高さを見せつけられる結果となった。5人全員が12月も騎乗する見込みで“外国人旋風”はますます吹き荒れそうだ。
そんな中、早々の戦線離脱を心配されているのがC.デムーロ騎手だ。
ジャパンCでは1番人気のシャフリヤールに騎乗していたC.デムーロ騎手。レース後、管理する藤原英昭調教師が「100点で乗ってくれたが、勝った馬は120点やった」と称賛するほどの騎乗だったが、ゴール前でヴェラアズールの急襲を許しての2着。本人も「最後に勝ち馬に来られたのが悔しい」と唇を噛みしめる結果となった。
だが、結果以上に深刻なのが騎乗停止処分を受けてしまったことだ。JRAが公表した裁決レポートによると「最後の直線コースで、15番シャフリヤールが内側に斜行したため、14番ダノンベルーガの進路が狭くなりました」とのこと。本件を受け、C.デムーロ騎手には12月10日から18日(開催4日間)の騎乗停止処分が下っている。
「被害を受けたダノンベルーガはすでに手応えがなかったようにも見えましたし、レース後にC.デムーロ騎手が『左にモタれていた』と話している通り、騎手の進路取りのミスというよりは、馬の方がヨレてしまった中で騎乗停止は少し厳しい判定にも思えます。
ただ、ゴール手前というレースで重大なところで起こった事象であること、そして何よりC.デムーロ騎手が先日に騎乗停止処分を受けている“執行猶予中”にまたやってしまったことが裁決に影響した部分は小さくないでしょう」(競馬記者)
記者が話す通り、C.デムーロ騎手は19日の尼崎S(3勝クラス)でも「最後の直線コースで外側に斜行した」ことで12月3、4日の開催2日間の騎乗停止処分を受けていた。そんな中でさらに斜行してしまったため、“おかわり”が追加されたというわけだ。
「このまま帰国?」12月壊滅より痛い青写真の崩壊
これで12月は3日から18日までの開催6日間で騎乗できず、チャンピオンズCに加えて、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティSといったG1レースも“見学”が決定したC.デムーロ騎手。一部のファンからは「このまま帰国するのでは?」という心配の声も聞かれている。
「C.デムーロ騎手の短期免許の期間は、ホープフルS(G1)が行われる12月28日まで。残念ながら12月はほぼ乗れなくなりましたが、有馬記念(G1)には自らの手綱でエリザベス女王杯を制したジェラルディーナに騎乗することが濃厚です。チャンスのある馬ですし、汚名返上の見せ場を作ってほしいですね。
ただ、C.デムーロ騎手にとってそれ以上に痛いのが、来年JRAで騎乗できなくなったことだと思いますね。実はJRAの規定で短期免許の期間中に2度の騎乗停止処分を受けた騎手は、次回短期免許を取得できないことになっています。
前回もそうでしたが、秋から年末にかけて騎乗し、そのまま翌年も騎乗するのがC.デムーロ騎手のパターン。ですが、今回は今年いっぱいで“強制帰国”ということになりそうです」(同)
実は今年の年頭にリーディング争いのトップに立っていたのが、C.デムーロ騎手だった。
年明けから36回騎乗して8勝2着10回という好成績。連対率に至っては驚異の50%をキープしていたのだから、本人にとってもいいイメージがあったに違いない。残念ながら、来年はその姿を見られることはなさそうだ。