かしわ記念(G1)は復活の古豪インカンテーションに要注意! 「G3で終わるはずがない」2度の骨折を乗り越えた不屈がリベンジを果たす!
「早い内からG3で終わるはずないと思っていましたが、今も変わりません」
今年2月のフェブラリーS(G1)前のことだった。インカンテーションの羽月友彦調教師が力説していたことを覚えている。
『スポーツ報知』の取材に応えた羽月調教師は「歯車が狂った分、結果に結びついていないけど馬自体は良いんです。いつ結果が変わっても驚きません」と管理馬のコンディションに関してコメント。いつも控えめで慎重なコメントが目立つ師だけに、大穴の一角にも関わらず強気な姿勢が印象に残っていたのだ。
残念ながら、そのフェブラリーSではオーバーペースで逃げたことで13着に大敗したが、師の言葉が証明されたのが、前走のマーチS(G3)だった。
57.5㎏という酷量を背負わされながら、番手を追走したインカンテーションは最後の直線入り口で先頭集団を射程圏に捉えると、先に抜け出したアスカノロマンを猛追。しぶとく競り落としてディアデルレイとの叩き合いを制すると、後続を完封して4つ目の重賞タイトルを手にした。
重賞3勝馬が単勝10番人気だったという事実が、この馬の歯車が如何に狂っていたのかを物語っている。
一昨年の平安S(G3)を勝つまでは、まさに順風満帆だった。前走のフェブラリーSを2着してからのG3制覇。秋には間違いなくダートの頂上決戦に割って入ってくる存在と見られていたが、その矢先に骨折。その年の全休を余儀なくされた。