リバティアイランド「異次元の末脚」を超えた破壊力!? 桜花賞はあの馬に要注意

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 11日、阪神競馬場で行われた2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、1番人気のリバティアイランドが2馬身半差で勝利。最後の直線で不利があった前走の鬱憤を晴らすような快勝で世代の頂点に君臨した。

「取りたいポジションを取って、リズム良く走らせました」

 レース後の勝利騎手インタビューで、主戦の川田将雅騎手から「能力の高い馬なので『気持ち良く走ってさえくれれば』と思っていました」と強気な発言が出たのも当然か。

 リバティアイランドといえば、デビュー戦で記録した上がり3ハロン31.4秒がJRA史上最速として大きな話題になった存在だ。前走のアルテミスS(G3)ではスムーズな競馬が出来ずに敗れたが、この日は外から伸び伸び脚を伸ばすと一枚上の破壊力を見せつけた。

「今回は5枠9番からのスタートでしたが、元JRA騎手の安藤勝己さんが『前走の敗戦が人馬の糧になってた』(公式Twitter)とツイートした通り、終始外々を回った安全策は『前走と同じ轍は踏まない』という強い主張にも見えました。

もちろん川田騎手にしても、リバティアイランドの能力を信じているからこそできる選択。ライバルにとっては、あの走りをされてはこの馬を負かすのは容易ではないでしょう。今春の二冠馬スターズオンアースと同じドゥラメンテ産駒。ゴール前は流す余裕のある勝利でしたし、来年は三冠さえ見据えたシーズンになりそうです」(競馬記者)

「異次元の末脚」を超えた破壊力!?

 また、リバティアイランドが最後の直線で見せた末脚は「これは異次元の決め手だ!」とJRAの公式VTRで実況されるほどの破壊力だった。だが一方で、実はこの2歳女王の末脚を大きく上回る決め手を見せていた馬がいる。

 6着に終わったドゥーラ(牝2歳、栗東・高橋康之厩舎)だ。

 4コーナーで8番手とほぼ中団だったリバティアイランドに対して、スタートで遅れたドゥーラは後方17番手。前半で楽をした分、速い上がりが使えることは必然だが、それにしても前者の上がり3ハロン35.5秒に対して、後者は35.0秒と0.5秒も差がある。当然、断トツの上がり最速だ。

 さらに記者が「スムーズなら、もっと切れていたはず」というから驚く他ない。

「リバティアイランドも強かったですが、今日のメンバーで逆転があるとすればドゥーラでしょうね。最後の直線で何度も挟まれるシーンがありながらも、最後まで力強い末脚。これまで洋芝の札幌でしか走ったことがなく、2連勝も好位から抜け出す内容だったので、あそこまでしっかりした脚が使えるとは思っていませんでした。

今回の阪神JFで一番完成度の高い競馬をしたのはリバティアイランドかもしれませんが、粗削りながら一番強い競馬をしたのはこの馬かもしれません。来年が楽しみですよ」(別の記者)

 記者が話す通り、ほぼ最後方で迎えた最後の直線で末脚にかけたドゥーラだったが、すぐにエイムインライフとハウピアに挟まれている。なんとか進路をこじ開けたものの、今度はドゥアイズに内から寄られる不利。外に避けようとしたが、さらにミシシッピテソーロと挟まれるなど、ほぼスムーズな走りが出来ないままゴールを迎えてしまった。

「(6着は)出負けした分ですかね。阪神外回りが初めてだったことを考えたら、最後はすごくいい脚を使ってくれました」

 レース後、そう斎藤新騎手から称えられたドゥーラ。今回は女王リバティアイランドに完敗という結果だったが、勝負付けを済ませてしまうのはまだ早そうだ。

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