武豊「覚えておいて損のない」良血がブービー惨敗…春クラシックへ黄色信号

武豊騎手

 14日、雨のなか行われた中京6R・3歳1勝クラス(芝2200m)は、3番人気のショウナンバシットが1馬身3/4差で優勝。一昨年のセレクトセールにおいて2億8600万円(税込)で取引された超高額馬が、未勝利戦からの連勝を飾った。

 鞍上の福永祐一騎手はレース後、「収穫の多い一戦でした」とコメント。重馬場、距離延長を克服しただけに、今後に繋がる価値ある1勝となりそうだ。

 一方で、6頭立てのブービー5着に敗れたのが、2番人気に推された武豊騎手とエゾダイモン(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)のコンビである。

 ハーツクライ産駒の同馬は『ウマ娘』でもお馴染みの藤田晋オーナーが、2021年のセレクトセールにて1億8150万円(税込)で落札。半兄には海外G1・2勝を挙げたグローリーヴェイズがいる良血馬だ。

 デビュー前から調教で好タイムをマークしていたこともあり、主戦の武豊騎手が自身の公式サイトの日記に「覚えておいて損のない名前」と綴るなど、POG(ペーパーオーナーゲーム)ファンからも注目を集めていた1頭である。

 2戦目で初勝利を挙げた後は、昨年11月の京都2歳S(G3)に挑戦。勝ったグリューネグリーンから0秒5差の8着に敗れたものの、これは4コーナーでの不利が響いてのもの。今回は春クラシックに向けて巻き返しが期待されていた。

 レースでは大外6番枠からスタートすると、すぐ隣の1番人気ドクタードリトルに寄られたことで、1頭だけ馬場の真ん中あたりを走らされることに。そのまま外々を回って1~2コーナーを通過し、バックストレッチに入る。

 勝負どころの3~4コーナーでも外を通って最後の直線へ。馬場の中ほどに持ち出されて懸命に追われたものの伸びを欠き、勝ち馬から1秒以上離されて入線した。

「道中でインコースを走っていた3頭が上位3着までを占めただけに、今日のところは外々を立ち回ったのが裏目に出たかもしれません。またレース後に武豊騎手から『思った以上に馬場を気にしていた』とコメントがあったように道悪の競馬もあまり向かなかったようです」(競馬誌ライター)

春クラシックへ黄色信号

 賞金加算にも失敗したことで、春クラシックには黄色信号が灯ったと言わざるを得ないエゾダイモン。前評判が高かったことを考えると、春の大きな舞台で見たい一頭ではあるのだが……。

「兄グローリーヴェイズも古馬になってから初重賞を制するなど、本質的には遅咲きの血統。エゾダイモンも今春は無理をせず、このあたりで一息入れるというのも1つの手かもしれません」(同)

 レース後に武豊騎手が「今日は小さい走りでした」と敗戦を振り返ったように、これが本来の実力でないことは明らか。厳しい結果を突きつけられたエゾダイモンだが、デビュー前から取り上げただけに素質を秘めていることは間違いなさそう。うまく立て直して再び軌道に乗ることはできるだろうか。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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