リエノテソーロのオールラウンダーに「怪物」の匂い? NHKマイルCで示した異次元の可能性
8日に開催されたNHKマイルC(G1)は、2番人気アエロリットが横山典弘騎手の外を回る作戦も功を奏し、見事初G1制覇に輝いた。
一方、アエロリット以上にその強さでファンを驚かせたのが、同じく牝馬のリエノテソーロ(牝3 美浦・武井厩舎)だ。前走アネモネS(OP)を4着に敗れ、今回は13番人気と一気に人気を落としていた。
しかし、レースでは中団に位置すると、最後の直線で他馬とは次元の違う末脚を披露。一時はアエロリットを捉えるかという勢いだったが、余力ある勝者の最後のひと伸びに屈した形だ。3着ボンセルヴィーソは2馬身半差突き放している。
1着、3着馬はいずれも逃げ・先行。当日の高速馬場を考えれば前が有利な状況下で中団から伸びてきたその能力は特筆すべき点だろう。鞍上の吉田隼人騎手は「勝たなければ意味がない」と悔やんでいたが、今後の活躍に期待大の内容だった。
ただ、圧勝した全日本2歳優駿(G1)など、ダートにより適性がありそうな戦績と血統背景。ここまでの激走の理由はどこにあるのか。
「調教が出走馬の中でも圧倒的な内容だったこと、芝での好走歴もありますし、ここまで人気が下がるほどの馬ではなかったということでしょう。また、当日のような明らかな高速馬場を考えますと、ダート芝関係なく、リエノテソーロが持つ『短距離適性』が強く活きたということではないでしょうか。今後どのような道を歩むのか、本当に楽しみな1頭です」(記者)
陣営は「距離が長いかもしれない」とレースを振り返っている。秋にはダート戦線で気を吐くのか、それともスプリンターズSを目指すのか……いずれにせよ、単なる強豪ではないスケールを持つ牝馬がまた1頭増えた。