川田将雅「ドン詰まり」で好素材が黒星発進…関西の名門厩舎2騎に明暗
29日、東京競馬場の6Rに行われた3歳新馬戦(芝1800m)は、中団を追走した坂井瑠星騎手の2番人気ロードデルレイが、最後の直線で豪快に4馬身突き抜けて優勝した。
坂井騎手はレース後、「ラストはかなりいい脚を使ってくれた。これからが楽しみな馬です」と絶賛。管理する栗東の中内田充正調教師も「初戦としては十分な競馬。うまく成長させられるようにやっていきたい」と今後を見据えた。
一方、このレースに出走していたもう1頭の中内田厩舎の管理馬で、1番人気に推されていた川田将雅騎手のパールロード(牡3歳)は、最後の直線で進路を失い2着に敗れている。
ロードカナロア産駒のパールロードは、14日の愛知杯(G3)など重賞2勝を挙げたアートハウスの半弟にあたる好素材。母パールコードも現役時代は中内田師が手掛けており、2016年の秋華賞(G1)で2着に入るなど、名門ゆかりの血統馬でもある。
もともと先週22日の中京6Rでデビューを予定していたものの、除外に。仕切り直しの一戦となった今回は、初戦で3馬身差の圧勝劇を演じている姉の影響もあってか、単勝オッズ2.2倍の支持を集めた。
関西の名門厩舎2騎に明暗
フルゲート16頭のレース。川田騎手とパールロードは好スタートを決めると、前から3、4番手付近のインコースの位置取り。前半1000m通過62秒1の流れを手応え十分で追走し、最後の直線に入るところまでは良かった。
だが、直線に向くと逃げ馬と2番手のガンウルフが前で壁になっていたため、外へ出そうとするも、隣にいた横山武史騎手のクラウンロマーニャにブロックされるような形になってしまう。その結果、ラチ沿いだったことも災いし動くに動けないポジションに入ってしまい、追い出しを大きく待たされる羽目に……。
そうこうしているうちに、スムーズにレースを運んでいたロードデルレイが馬場の真ん中から抜け出して先頭へ。パールロードも残り1ハロンを切ったあたりでようやく進路ができたものの、時すでに遅し。僚馬から0秒7後れを取った2着でゴールしている。
「結果的には中内田厩舎勢のワンツーフィニッシュになったものの、2頭のレース内容に関しては大きく明暗が分かれましたね。1番人気に推されていたのはパールロードの方だっただけに、乗っていた川田騎手は悔しい思いをしたのではないでしょうか。
ただロードデルレイには大きく水をあけられましたが、パールロードもあれだけ追い出しを我慢させられたにもかかわらず2着まで来たあたりを見ると、相当な能力を秘めていると思われます」(競馬誌ライター)
中内田師はレース後、パールロードについては「直線は進路を見つけられませんでしたが、これも競馬。また改めて期待したいです」と前向きなコメントを残している。
3歳1月という時期だけに春クラシックを展望する上では痛い黒星になってしまったかもしれないが、血統背景をみれば3歳秋から本格化する一族でもある。次はスムーズな競馬で巻き返してくれることに期待したい。