JRA川田将雅「リーディング陥落」で黄色信号!? 戸崎圭太やC.ルメールも反撃の狼煙、きさらぎ賞(G3)大本命フリームファクシに一抹の不安

川田将雅騎手

 今年もはや1月の開催が終了し、各騎手の好不調も徐々に見え始めてきた。スタートダッシュを決めたのは、昨年に自身初となるリーディングジョッキーの座を手に入れた川田将雅騎手だ。

 昨年はC.デムーロ騎手が帰国したタイミングでリーディングに立つと、そのまま後続の追撃を振り切ってトップを守り切った。今年は“天敵不在”とあって早々に奪取。セーフティーリードといきたいところだったが、先週末の開催は思うように勝ち星を伸ばせずに、横山武史騎手に抜かれて2位に後退した。

 王者復権を狙うC.ルメール騎手が6勝を挙げ、戸崎圭太騎手も川田騎手と1勝差の3位と好調だが、まだ1月が終わった段階で先の話をしても鬼が笑うだけだろう。

 ただ、ひとつ気になったのは、上位3人の成績に顕著な違いが見られたことである。

 現在首位の横山武騎手が【17.7.7.51/82】、3位の戸崎騎手が【15.9.5.48/77】だったのに対し、川田騎手の場合は【16.20.6.14/56】と2着の数が1着を上回った。これにともない連対率で前述2名の2倍以上となる64.3%という驚異的な数字を記録している。

 馬券を購入するファンからすれば、川田騎手を軸にして購入することで的中率アップに大きな期待が出来るとネットの掲示板やSNSで話題になったほどである。逆に3着に関してはこれといった差もないため、馬連の軸として絶大な信頼を寄せられる騎手ということになるだろう。

「リーディング陥落」で黄色信号!?

 その一方、リーディング争いの場合は勝利数が基準となるため、2着の数は勝利数で並んだ際に有効な程度。表現を変えると勝ち切れていない、詰めの甘さを見せたレースが多かったと言えないだろうか。

 勿論、人気薄の馬で好走するケースも含まれるだろうが、1月が終了した時点で川田騎手の騎乗した馬の平均人気は1.9で平均オッズが4.0倍という事実は大きい。同騎手が勝ち負けの期待が大きな馬に絞って騎乗している事情があるとはいえ、これは横山武騎手(3.4番人気、8.6倍)や戸崎騎手(3.6番人気、10.3倍)とは比較にならないほどの差だ。現在の川田騎手の成績だと馬連や3連複の軸、3連単なら2着付けが馬券の的中に有効かもしれない。

 ただ、それは馬券を購入するファン目線での話であり、川田騎手の目標は当然ながら2年連続でのリーディング獲得であることに間違いない。今週末には日曜中京のメイン・きさらぎ賞(G3)で、断然人気の予想されるフリームファクシ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)に騎乗を予定している。

 見事人気に応えて勝利を収めることができるか、それとも2着に敗れてしまうのか。春のクラシックを見据えるためにも落としたくないところである。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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