和田竜二「200連敗」の原因にJRA新ルール? “闘魂”を奪われたファイターが大苦戦…遠い2023年初勝利

小沢大仁騎手

 4日、中京競馬場で行われた4R・3歳新馬(ダート1800m)は、ハナに立ったスマートサニー(牡3歳、栗東・松永昌博厩舎)がそのまま逃げ切って勝利。終わってみれば、9頭中6番人気の低評価を嘲笑うかのような8馬身差の圧勝劇だった。

「楽にハナに立つことができましたね。逃げて、上がり37秒台でまとめてきたんですから、これからが楽しみです」

 レース後、そう相棒に期待を寄せた小沢大仁騎手は、これが嬉しい2023年初勝利。一昨年に31勝を挙げて新人王に輝くも、昨年は29勝と伸び悩んだ。勝負の3年目となる今年は初勝利まで50戦と苦しんだが、スマートサニーは所属厩舎の馬だけに鞍上にとっても今後が楽しみになる1勝だろう。

和田竜二騎手

 その一方で「今日は勝ち馬が強すぎました」と白旗を上げざるを得なかったのが、2着に終わったワンダーエッジと和田竜二騎手だ。

 道中は勝ち馬をマークするように2番手をキープ。しかし、レース後に和田竜騎手が「調教からズブいと思っていたが、何とかついて回れました」と振り返った通り、最後の直線で勝ち馬に大きく引き離された。ただ3着馬には9馬身差をつけており、今日は相手が悪かったか。鞍上も「素直で良い馬」とワンダーエッジを評価しているだけに、次走はきっちり勝ち上がりたい。

 しかし、そんな相棒の初勝利を待っていられないのが、今の和田竜騎手の状況だ。

「勝った小沢騎手も2月になっての今年初勝利にホッとしたと思いますが、実は和田竜騎手もまだ今年の勝ち星がありません。最後に勝ったのは昨年の11月。今年も100回近く騎乗していますし、昨年から連敗はすでに200を超えており、やや深刻な感じになってきました」(競馬記者)

 和田竜騎手といえば、テイエムオペラオーとのコンビで史上初のグランドスラム(天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念を同一年で制覇)を達成した関西の人気ジョッキー。最近はG1勝利こそ2018年の宝塚記念から遠ざかっているが乗鞍も多く、毎年50勝前後をコンスタントに挙げている腕利きだ。

 仮に年間60勝を挙げる騎手なら毎月5勝ペースだが、記者曰く、和田竜騎手は約3か月間も勝ち星から遠ざかっているという。その間200を超える連敗中というのだから、心配しているファンも少なくないだろう。

 さらに、記者は「単なるスランプではないかもしれない」という。

「200連敗」の原因にJRA新ルール?

「実は今年から、ムチの連続使用が10回から5回に制限されました。世界ルールに基づいた変更とのことですが、いきなり半分になったわけです。当然、戸惑っているジョッキーも多く、年明けの1月だけで61件もムチの使用についての処分や戒告がありました。昨年が1年間で128件だったことを踏まえれば、異常事態と言えるかもしれません。

そんな中、和田竜騎手はムチの使用回数が多い、いわゆるファイターだけに対応も難しいと思いますね。本人も当然気を付けているでしょうし、今のところ2度の制裁で済んでいますが、その分勝負所のファイトに影響が出てしまっているのかもしれません」(同)

 記者が話す通り、和田竜騎手は良くも悪くもムチ連打で馬を叱咤するタイプのジョッキーだ。ズブい馬を動かすことに定評がある反面、ムチ絡みの制裁については昨年が全体1位タイ、一昨年も2位タイと制裁の“常習者”という一面もあった。

 ちなみにJRAが新ルールを発表したのは、昨年10月。ムチの連続使用回数の半減という大幅なルール変更にすべての騎手が対応を迫られる中、和田竜騎手の連敗が始まったのはその翌月からだ。

GJ 編集部

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