「残念でした」大魔神・佐々木主浩氏が「4頭出し」も全敗…最後の砦「ヴィルシーナの娘」は手応え絶好も悲劇の結末
かつてジャパンC(G1)を制したシュヴァルグランや、秋華賞馬でドバイターフ(G1)を勝ったヴィブロスなど、複数のG1馬を所有した「大魔神」こと佐々木主浩氏。元プロ野球選手として世界を股にかけて活躍した経歴を持ちながら、その類稀な相馬眼を武器に馬主としても大成功を収めた名オーナーだ。
そんな佐々木氏は18日に所有馬「4頭出し」を敢行。3年前の新潟記念(G3)を勝ったブラヴァスをはじめ、現在6頭の愛馬を所有している佐々木氏だが、今年はまだ勝利なしだったこともあり2023年の初勝利が期待された。
しかし、一番手のガルヴァナイズが阪神3Rの3歳未勝利(ダート1800m)で1番人気に推されるも5着。午前中から不穏な立ち上がりを見せてしまう。
続いて阪神6Rの3歳未勝利(芝2400m)に出走したヴィンセドリスは、後方から大外を回ってよく追い上げるも2着に惜敗。小倉8Rの1勝クラス(芝1800m)に登場したイヴィステラも4着に敗れるなど健闘しているものの、初勝利にはあと一歩といった内容が続いた。
そして最後の砦となったのが、京都牝馬S(G3)のディヴィーナだった。
「ヴィルシーナの娘」は手応え絶好も悲劇の結末
佐々木オーナーに、G1初勝利をもたらしたヴィルシーナを母に持つディヴィーナ。下馬評では10番人気の低評価だったが、佐々木オーナーが『うまスクエア』で連載する『大リーグボール22号』にて、「ロスなく回って来れるこの枠からなら十分チャンスはあると思っています」(原文ママ)と期待を込めていた一頭だ。
前走は睦月S(OP)で1番人気に推されるも、最後の直線で大外を回ったことも影響してか4着止まり。敗因が明らかな上に今回は絶好の1枠2番ということもあり、ロスのない競馬が期待された。
しかし、今度はその内枠が仇になってしまう。
内々を回る競馬が功を奏し余力十分で最後の直線を迎えたディヴィーナだったが、残り200m付近で前にいた高倉稜騎手のシゲルピンクルビーが内へもたれて進路をカットされる不利……。鞍上の坂井瑠星騎手が立ち上がるほど急ブレーキをかけることになり、そのままズルズルと失速すると、不完全燃焼のまま10着でレースを終えることとなった。
「直線でも絶好の手応えがあっただけに、ディヴィーナ陣営にとっては悔しい結果となりましたね。その後、JRAから(シゲルピンクルビーの)高倉騎手に対し『最後の直線コースで内側に斜行した』として戒告処分が下りましたが、坂井騎手が『直線の不利が全てです。それがなければ上位を狙えたと思います』と悔しがっていた通り、スムーズに抜け出していれば勝利まであったかもしれません」(競馬誌ライター)
「初めての1400mでも瑠星が上手く乗ってくれていただけに……。不利がなければ上位を狙えていたと思うと残念でした」
翌日には再び自身のコラムにて、そう敗戦を振り返った佐々木オーナー。愛馬の「4頭出し」で今年初勝利を狙ったものの悔しい結果が続いてしまった。