【徹底考察】NHKマイルC(G1) イモータル「皐月賞馬ディーマジェスティに迫った実力は『本物』か否か」
【血統診断】
マンハッタンカフェ×アカテナンゴという配合の本馬。父マンハッタンカフェは天皇賞馬ヒルノダムールや秋華賞を勝ったレッドディザイアを送り出すなど、数あるサンデーサイレンス系種牡馬の中でも一定の地位を確立している。また、このNHKマイルCにおいても2009年の優勝馬ジョーカプチーノを送り出しており、本馬にとっては心強い相性だ。
しかし、その後スプリンターとなったジョーカプチーノとは違い、本馬はもっと長い距離で適性がありそうだ。母父アカテナンゴは仏ダービー馬ブルーカナリや、ジャパンCを勝ったランドを送り出したドイツ産の種牡馬。日本では皐月賞2着やマイラーズCを勝ったワールドエースの母父として知られている。血統的にマイルで戦うには、ややスピード不足の感は否めない。直線の長い東京のマイルでギリギリの守備範囲か。単純な距離だけで述べれば、日本ダービーの方が高い適性を感じるくらいの配合である。従って将来的には、半兄のエックスマーク(父ディープインパクト)と同じく2000m前後を戦っているのではないだろうか。
≪結論≫
「考察」で述べた通り、イモータルが今回のNHKマイルCにおいて好位から競馬することは、かなり難しい。今回はメジャーエンブレム以外にも、何頭かテンが速い先行馬も控えており、おそらくは中団からの競馬を強いられるのではないか。そうなってくると、出遅れも響いた朝日杯FSはともかく、ブレイブスマッシュにハナ差及ばなかったサウジアラビアRCの内容がよぎる。重賞で着順こそハナ差2着と決して悪くはないが、仮に本馬が「ディーマジェスティではなく、ブレイブスマッシュといい勝負をした馬」と判断した場合、この舞台での扱いは大きく変わるはずだ。
中団からの末脚勝負になった場合、新潟の新馬戦で見せた上がり3ハロン32.9秒は一見頼もしいが、未だ500万下で凡走を繰り返しているフィンガーポストが上がり2位の33.1秒を記録している以上、それにどれだけの価値があるのか。キレがないわけではないが、特別切れる脚もないだろう。ただ、メジャーエンブレムが激流を作り出し、レース自体が共同通信杯のようなスタミナの要する厳しい流れになった場合、一気に浮上できる可能性がある。そんな流れを呼び込むためにも、例え中団からの競馬になったとしても、積極的に前を捉えに行きたい。